
土地は、無秩序な開発を防ぐため都市計画法に基づく「線引き」がされています。「市街化区域」は宅地に使えますが、「市街化調整区域」では宅地に使うことができません。

八木・緑井地区に初めて「線引き」されたのが1971年。山の斜面まで宅地化されたことがわかります。およそ40年後の2014年では、線引き自体は大きく変わっていないものの、マンションなどの建設がさらに進みました。

結局、山の谷で発生した土石流の出口にあたる住宅地を直撃し、多数の死者を出すことになったのです。こうした都市型の豪雨災害を受け、広島県は対策に乗り出しました。
地権者(福山市での説明会)
「評価(資産価値)がどのぐらい下がるのか。われわれが納得できるような『災害対策のために協力してください』と言ってくださいよ。それが知りたいんですよ」
広島県は、去年から広島市や福山市など13市町と連携し、土砂災害の危険が特に高い地権者を対象に説明の場を設けています。将来的には「市街化区域」を制限し、宅地開発を制限する「市街化調整区域」の範囲を徐々に広げていく方針です。

危険な場所に住む人たちを平地などに誘導する、これまでと反対の手法を「逆線引き」と呼びます。