見つかったのは、“ガリ侵食” だけでなく… 崩落・途切れた排水管・根曲がり、そして…
歩き始めてすぐ見つかったのは、コンクリートのがれきでした。

広島工業大学 森脇武夫 教授
「コンクリートは基本的には地山にはありませんので、盛り土の中にあったものだろうと思うんですけど、それが、こっちの新しく盛り土された(産廃処分場からの)ものなのか、洗い流されて下のものが現れてきたのかは判断はできませんね」

広島工業大学で地盤工学などを教える 森脇武夫 教授、その道35年の斜面災害の専門家です。
広島工業大学 森脇武夫 教授
「非常にやわらかい。グサッと入ってしまうんですけれど、そこまで下までグサッと入ったりしないのである程度の強度はある。そこまでやわらかすぎて、今すぐ崩れるという感じではない」

盛り土の東側の縁に沿って法面が崩落しているために本来、地中にあるはずの排水パイプがむき出しになっていました。途切れたパイプを流れてきた水は、盛り土に浸透することになります。

広島工業大学 森脇武夫 教授
「上からの水が盛り土の中に入るということ。本来は盛り土の中に入らずに下まで行かないといけない」

Q.盛り土に入ったらダメなんですか?
「盛り土の中に入ると、盛り土の重さも重くなるし、盛り土の強さも弱くなる。水を含むと。ですから、できるだけ盛り土の中に水を入れないようにするのが、盛り土の維持管理の鉄則なんですけれど、その維持管理が適切にされてない」

途切れたパイプは、盛り土のそこかしこにありました。ふもと住民の今中さんは、長年、土地造成の現場で働いてきた経験から、ここの排水設備の設置の仕方がそもそもいい加減すぎるとお怒りです。

植林されたとみられる杉や檜の中には、ところどころ、根元が曲がっているものがありました。
広島工業大学 森脇武夫 教授
「多少、ここの地盤がずれている可能性がありますね。緩いとずれやすい」

つまり、根曲がりした樹木の周辺は、局所的に地盤が緩いという可能性があるそうです。

さらに、根こそぎ倒れているスギやヒノキもあちこちで見つかりました。