ニキータ・ベンチャロフさん。ロシアのバイカル湖に浮かぶ島でホテル経営をして暮らしています。マリアさんが書いた平和についての絵本をロシア語版にして出版した縁があるそうです。2人いる息子のうち1人は、日本にいます。

そんなニキータさんは、2023年春、マリアさんのドキュメンタリー映像を撮ろうと、13人で広島にやってきて、マリアさんとともに原爆資料館も見てまわったそうです。

ニキータさんは、戦争について、あまり多くを語らなかったといいますが、ロシアにも戦争に反対し、平和を願っている人たちがいることを強く感じたといいます。

森本マリア さん
「ニキータさんを見ると、4年前と今とちっとも変わらない。ずっと(平和への)思いは同じだから。みんなに『ロシアが悪い』と言われるとつらい。ニキータさんまで悪いと思われているのかな」

子どもたち
「平和って大切だな」

「ウクライナとロシアの戦争も、わたしたち(日本の過去)の戦争と同じように始まったのかな」

ロシアによるウクライナ侵攻…。その影響を受けたり、命を落としたりする1人ひとりは、ロシアでもウクライナでもわたしたちと何も変わらない普通の人たちだということを感じてもらいたかったのです。

森本マリア さん
「(戦争中は)普通に暮らしていても巻き込まれる。食べ物がなくなり、全てがなくなる。戦争で勝つ人も負ける人も(多くが)死んでしまう。戦争はダメ」

78年前のあの日を知る1人として…。マリアさんは、これからも語り継いでいきたいと話しています。