ラジオ体操も覚えました。

日本人の社員とは、簡単な英語や翻訳機を使ってコミュニケーションを取っています。

お好み焼課 春名陽介 課長
「きのうの夜は何を食べましたか? チキン?」

姉 ファジリャさん
「フィッシュ」

春名陽介 課長
「どちらが料理をしましたか?」

姉 ファジリャさん
「わたしです」

春名陽介 課長
「最近では自ら動けるようになってきたので、大事なチームの一員です」

2人が所属しているのは、「お好み焼課」。

お好み焼き教室が開催される日は、材料や調理器具などの準備を担当します。キャベツを切るのもお手の物です。

お好み焼課の先輩
「(豚肉は)凍っているので、あとにしましょう」

お好み焼課の先輩
「彼女たちも覚えようとしてしっかりとやってくれるので、覚えるのもとても早いです。たぶん料理も好きで、最初よりどんどん上手になっています」

お好み焼きも自分たちだけで焼けるようになりました。日本に来るまでヘラを使ったこともありませんでしたが、週に3日ほど、昼食も兼ねて練習を重ねました。

トッピングには、大好きなチーズを入れるのが定番です。

妹 マリアさん
「お好み焼きは好きです。」

はしの使い方にはまだ慣れませんが、少しずつ職場での居心地も良くなってきています。ただ、ふるさとでの生活を恋しく思う気持ちは募る一方です。

先の見えない避難生活の中でファリジャさんを支える目標があります。

姉 ファジリャさん(20)
「ウクライナの復興に携わりたいです。今は建築の勉強をすることが、とても大切だと思っています。たくさんの町が、ゼロからの復興となるから」

「ふるさとをきれいな街並みに戻して、家族や友だちと過ごしたい。少しでも早く帰りたい」と願いながら、広島での歩みを進めます。

― 2人の生活は、たくさんの方の寄付でなんとか成り立っているということですが、慣れない日本での暮らしにはたくさんのサポートを必要とするため、支援する団体では引き続き、寄付を募っているということです。

2人の生活をサポートする「The Path to Peace」は、募金による支援を呼びかけています。