午前11時半ごろ、男の子がいなくなっていることに気づいた保育士は、園内を捜索。男の子の家族にも連絡し、自宅にも帰っていないことから、午後0時半前、警察に通報しました。警察と園の周辺を捜索していたところ、午後2時半すぎ、園近くの太田川放水路の砂地で保育士が倒れている園児を発見しました。

家森亮 記者
「保育園から川までは歩いておよそ5分です。一方で男の子が発見されたのは男の子がいなくなってから、およそ3時間が経過したあとでした」


事故発生後、市は、園児が行方不明になった場合、警察への通報を早期に行うとともに、川や海、道路など園周辺の危険箇所を最優先で捜索するよう、市立の園の危機管理マニュアルを見直しています。


こちらは、市が事故後に実施した緊急点検の結果です。園の周辺で、川や海など自然の危険個所がある保育園は、88の広島市立の保育園などのうち67園。239の私立保育園などのうち57園。道路や線路など人工的な危険個所に関しては市立が80、私立が125と多いことが分かります。ですが、園の外に子どもが誤って出ることがなければ、危険も少ないはずですが…。

園からこどもが出てしまう可能性についての結果です。園の回答は「延べ数」ですが、園庭が生垣だけで囲われている保育園が市立で11。門やフェンスがあっても高さが不十分な園は市立で62、私立で34などとなっていました。

事故の後、保育の現場ではどのような対応がされているのでしょうか。そして、市が設置した検証委が事故の検証をすすめています。

「施設と施設がある地域と、行政とみんなが一緒に子どもを守っていくという姿があるといい」

5月末に市が立ち上げた有識者などによる検証委員会は、これまでに保育園や市の担当者から当時の状況などのヒアリング、男の子が見つかった川を視察するなどして、事故の原因と再発防止策を検証してきました。


そして20日、検証委員会の最後となる7回目の会合が開かれました。まとめとなる報告書は12月26日に市に提出される予定です。