奥田教授は、この問題の根本にはライフスタイルの変化があると指摘します。薪や炭を使っていた昔の人たちにとって、動物の管理は生活を左右する大切な問題でした。

広島修道大学 人間環境学部 奥田圭 教授
「動物が入ってきて農作物被害を受けてしまうと死活問題なので、農地を守るために動物の管理をしっかりする。または防除をしっかりしてきたと思います」

しかし、石油の普及で管理されなくなった里山が一気に広がりました。こうした里山の放棄や山に近い農地の減少が進み、野生動物の管理が行き届かなくなり、人とクマの生息域が近づいてしまったと指摘しています。

広島修道大学 人間環境学部 奥田圭 教授
「野生動物の問題も含めて、総合的に見ていってまちづくり、都市計画っていうものを作っていかないと、この野生動物の脅威っていうものから解放されるっていうことは難しいんじゃないかなと」

奥田教授は、クマの生息場所が私たちの生活圏のすぐ手前まで来ている現実を把握することが、被害を防ぐ上で重要だと強調しました。

奥田教授によりますと、クマが、すぐ近くの森にいるかもしれないという認識を持つことや、山や森に行くときには、クマ対策グッズの携行や単独行動を行わないなどが大切だと言うことです。