「綻び始める仕組み」

国勢調査は10月1日。国の将来像を描くために欠かせない制度だ。だがその運営システムは、町内会という“人海戦術”に依存しており、担い手の高齢化と現役世代の多忙化のはざまで綻びが生じつつある。

「地域だからこそできること」があるのも事実。だが一方で、「地域だけに任せてよいのか」という疑問も残る。

調査員及び、指導員に話を聞くと「次回もぜひ!」と言う声は聞こえない。できればやりたくない、避けたいというのが本音である。そこには、「地縁でつながる顔見知りから依頼され、断りづらい」というだけで受けてくれるのがほとんどである。

次の国勢調査のころには、今のやり方が限界を迎えているのではないか―。取材者としても町内会長としても、そう強く感じている。