世界で活躍する日本人指揮者が、音楽を通じて平和を考えようと、広島市でコンサートを主催しました。

コンサートを主催したのは、ニューヨークを拠点に活動する指揮者の伊藤玲阿奈さんです。高校時代を被爆地・長崎で過ごした伊藤さんは、音楽を通じて平和を考えようと、おととしから長崎でコンサートを主催していました。

広島では初開催となる今回は約250人の観客が会場に詰めかけました。コンサートでは広島市などから集まった約100人の合唱団がベートーヴェンの交響曲「第九」を披露。伊藤さんが歌詞を訳しながら、ベートーヴェンが第九に込めた思いなどを解説しました。

指揮者 伊藤 玲阿奈さん「この80年というのはある意味タイムリミットだと思っているんですね。被爆のときに10歳でも、今では90歳になられている」

伊藤さんは「被爆者の生の声を聞けなくなってしまうことに危機感を感じている」と話していました。