現在、日本の卓球のリーグには、Tリーグと、広島で活動する実業団チーム・中国電力ライシスが所属する日本卓球リーグがあります。
中国電力は、去年、日本リーグを含む、国内の団体戦の主要5大会すべてに優勝し、グランドスラムを達成しました。その日本一のチームを引っ張るのは25歳の若きキャプテン。その想いを取材しました。

広島市内に練習場を構える中国電力ライシス。過去、オリンピアンも輩出した名門チームですが、去年、創部以来はじめてとなる実業団の国内団体戦タイトル完全制覇のグランドスラムを成し遂げました。チームを引っ張るのは、木村光歩キャプテン。

世界ランキング上位に君臨する張本美和や伊藤美誠など、スタープレイヤーが集うプロリーグ「Tリーグ」にも出場する選手で、武器は『前陣速攻(ぜんじんそっこう)』と言われるピッチの速い攻撃です。そんな木村がキャプテンに就任したのは昨シーズンのこと。
シーズン開幕当初はグランドスラムを達成するとは夢にも思っていませんでした。
木村光歩「本当に最初は『どうなることやら』っていうチームの状況だったんですけど、試合を重ねるごとにチームワークが良くなっていったというか、チーム全で勝つんだっていう気持ちを前面に試合で出して行けたからこそこの結果になったかなっていうふうに思います」

優勝を重ねるにつれ、グランドスラムという偉業を前に「負けたらどうしよう」とマイナス思考に陥りながらもチームの頼れるキャプテンであり続けた木村。
その背景には高校時代の苦い経験がありました。

木村光歩「あまりキャプテンらしいことができてなくて、チームワークっていう部分が欠けてたかなっていうふうにすごく反省してたので、高校時代のときに。選手と対等にコミュニケーションを取りながら、困っていたらすぐに相談できるような先輩になりたいなっていうので、それは常に心がけてます」

そんなキャプテンの姿にチームメイト達は…
枝廣瞳「ちょっと落ち込んでる人とか、に負けたりしたときとかには、声かけたりとか、そういうことができるので、優勝に繋がったかなって思います」

由本楓羽「先日も一緒に料理作ってくださったりとか、すごく優しいキャプテンです。マカロニサラダと、生姜焼きと、麻婆豆腐と、お味噌汁と、ほうれん草の和え物を作りました」

実業団の王者として迎える今シーズン。2人の選手が引退した中国電力ライシスは、新体制の4人で挑む変化の年でもあります。しかし、木村が目指すキャプテン像は変わりません。
木村光歩「去年良い成績だったので、周りも向かってこられるとは思いますし、いっぱいいっぱいになってしまう選手も私も含めていると思うので、そこはもう声かけだったりとか、全員で乗り越えていくんだ、ひとりじゃないっていうのを伝えていきたいですね。私たちがチャレンジャーの姿勢で常に1戦1戦がんばっていきたいなと思います」

新たなスタートを切った中国電力ライシス、前期の日本卓球リーグは6月に行われます。