寝たきり愛犬と家族の面会 “人と犬の高齢化社会” 課題とは

「老犬介護」の利用者は犬と面会ができます。エルモくんを預けている嶋田愛さんです。

老犬介護利用者 嶋田愛さん
「きのうエルモの誕生日だった。プレゼントは(犬用の)もみじ饅頭」

konomi動物病院の「老犬介護」は終身制のため、一度犬を譲渡すると元の家庭には戻れません。

老犬介護利用者 嶋田愛さん
「エルモ…。ガリガリに痩せたじゃん…食べられる?食べた。よかった」

母・和美さんとエルモくん

エルモくんは嶋田さんの母親が1人で飼っていた犬でした。母親は5年前に急死し、嶋田さんが急遽引き取ることに。しかし…。

老犬介護利用者 嶋田愛さん
「母が亡くなってショックだったのか、トイレもできなくなった。朝晩が逆転して夜中に吠えて、昼間にずっと寝ていた」

嶋田さんは仕事や育児を1人でこなしながら、エルモくんの世話を1年間続けました。

老犬介護利用者 嶋田愛さん
「彼もストレスだったのか、尻尾の毛が全部抜けてしまった。罪悪感や心苦しさがなかったと言えば嘘になるが…。私も、子どもも、エルモも一番幸せに生きていける方法だと思った」

嶋田さんは「老犬介護」の利用を決めました。

老犬介護利用者 嶋田愛さん
「また来るね。また会おうね」

県内でこうした「老犬介護」の施設はあまり多くありません。預かった犬の寿命が見通せないことや、施設の負担が大きいことなどが要因です。

konomi動物病院 栗尾雄三院長
「あくまでうちの空いている設備を利用してやっている。10件問い合わせがあって受け入れているのは1~2件。お断りをせざるを得ない。設備的に無限に預かれる訳じゃない。」