「あのとき離婚してくださったらどんなに楽だったか…」
少女の顔のやけどは、やがて皮膚が盛り上がるケロイドとなり、心をも傷つけました。結婚をして子宝に恵まれても、そんな思いを抱えたまま生きてきたのです。原爆による熱線は、生涯刻まれる傷を多くの人に残しました。
ことしのノーベル平和賞に核兵器廃絶を訴え続けている「日本被団協」が選ばれ、その授賞式が10日、ノールウェー・オスロで開かれます。いまだからこそ伝えたい、被爆者の声です。

「女として顔に傷を受けたことです」
97歳の阿部静子さんは、被爆体験の中で1番つらかったことを、こう話しました。