新井貴浩 監督
「まずはきっかけを与えてあげたい。何かきっかけを与えて、殻を破ってもらいたいと常に思っていますので。また1年間、選手もわたしを含めてコーチングスタッフと戦っていく中で『監督ってこういう考えなんだ』と、『コーチもこういうふうに考えてくれているんだ』ってのは十分にわかったと思うんですよね。そういう意味では、ことしはそのあたりのコミュニケーションの土台というのは築けていますので、よりそこをもっと気持ちと気持ちのつながりを深くしたいなというふうには思っていますけどね」

「チームは家族」―。常にそう口にする新井監督だからこそできたチームづくり。昨シーズン、築き上げたものをより強固にする一方、出てきた反省点も修正していく。その1つが監督自身、勝負どころとしていた8月に相次いだ主力の離脱だ。

新井貴浩 監督
「日程であったり、相手投手との相性であったりで休みを与えていたつもりだったんですよね、わたしは中堅・ベテランに対してですね。ですけども実際、『よし、8月、みんな行くぞ』と言ったときにあれだけ主力にけが人が出たっていうのは、これはわたしの反省なので、そのあたりのフィジカル的なマネージメントっていうのは昨年より、より細かく、そして慎重にやっていかないといけないなと思っています」
― それはイコール、みんなで戦うことに話がつながりますね。
「そうですね。全員で戦う。ファームも含めて全員、戦力だと思っていますので」

家族一丸で迎える新井カープ、2年目。その開幕を託したのは、昨シーズン、先発ローテーションを唯一守り抜いた 九里亜蓮 。ことし、プロ11年目で “初の開幕マウンド” に上がるチームの柱に新井監督も期待を寄せる。

新井貴浩 監督
「たぶん、もう鼻息荒くして、あまり寝れてないと思うんでね(笑)」

「でもね、もう彼にことしの開幕を任せていますので、彼がどのようなピッチングをしてくれるのか、結果はもう、わたしはそんなにね…、もちろん抑えてくれるに越したことはないんですけども、結果だけを見ていないので。初めての開幕投手、彼にとって念願の開幕投手を、自分でつかんだ開幕投手ですから、それをマウンドでどのような姿で投げてくれるのかなというのを期待したいと思います」

開幕は29日(金)。若鯉の台頭もあり、戦力が整いつつある新井カープだが、全国メディアでの下馬評は決して高くはない。しかし、そんな逆風もカープなら追い風に変えることができるはずだ。
新井貴浩 監督
「また昨年同様、ことしも評論家のみなさまからありがたいことにたいへん低い評価をいただいていますから。『まだ、わかってないのか、俺たちの力を』という今、そういう気持ちでいます。もう『ことし、わからせよう。わからせてあげよう』というふうにわたしは燃えています。『俺たちのチームはそんなんじゃないぞ』と。『どこ見ているんですか。俺たちの選手は、そんな力のない選手じゃないですよ』っていうのを見せてやろうぜって選手たちもおそらくそう思っていると思いますけどね」

― RCC野球解説者の 安仁屋宗八 さんが、ことしも相当な予想をする( 2024 “安仁屋算” 179勝 )と意気込んでいます。励みになりますか?
「励みになりますね(笑)。ですが、安仁屋さんも “違った意味で厳しい” ですね、はい。違った意味で厳しいです。そこまでは、という…」
― ハードルみたいなもの?
「そうですね。この時期の風物詩になっていますから、わたしも楽しんで見させていただいてますけれども。ご期待に沿えるように、安仁屋さんのご期待に近づけるようにがんばりたいと思います」
(RCC「カーチカチ! THE ゴールデン 2024 カープ開幕特番」より)