まず蒸し上がったコメを冷ましたあと、麹をふりかけ布に入れて包みます。

包みの重さは約10キロ。これをメンバーがリレー方式で仕込み蔵に運びます。最後に仕込みタンクに投入し、発酵させます。

杜氏の濵村さんは新たな挑戦をしていました。一般に酒造りは雑味を抑えるため、コメを多く削りますが、「大林千年」ではできるだけ削らずに味のよさを追求したのです。

「ふるさと楽舎」のコメ作りで、以前、害虫による大きな被害を受けたからでした。

旭鳳酒造 濵村洋平 杜氏
「それまですごい順調に育っていたのが、全部ボッコリ使えなくなって、収穫量が4分の1とかになってしまったのがあったので、できるだけお酒にしてあげたいな」

こうした酒造りは、異常気象でコメが作りづらくなる中、ますます必要だと濵村さんは考えています。

新酒の完成を告げる杉玉もメンバーが作りました。杉の枝は桧山地区の山で採取しました。これを発砲スチロールの芯に差して作ります。

仕込みから1か月ー。「大林千年」の新酒が完成しました。さっそくメンバーが仕込み蔵を訪ねました。

まずは杜氏の濵村さんが味をみます

旭鳳酒造 濵村洋平 杜氏
「いいと思います。安心します」

濵村さんの狙い通り、うま味のあるキリッとした味を出せたようでした。

ふるさと楽舎メンバー(会社員)
「おいしいですね、フルーティーで」

ふるさと楽舎メンバー(大学3年)
「田んぼの土作る段階から関わり始めて。ゴールを初めてやっと見られたっていう感じです」

ふるさと楽舎 馬場田真一 リーダー
「ここからこのお酒を使って、次の仲間づくりがって思うと、可能性を秘めたものすごい嬉しいものになっています」

「大林千年」は早ければ今月末に発売。収益金の一部はメンバーの活動費にあてられます。