ことしも盛り上がった沖縄県の高校スポーツ。高校総体や全国選手権大会に向けて高校生アスリートたちの活躍を紹介します。

新城光人(沖縄工3年)
「これまで多くの制限がある中、強い気持ちを持ち続け、練習を頑張ってきました。感謝の気持ちを込めて、最後までやり抜くことを誓います」
「もがいた時間」と「帰ってきた声援」を力に変えて、部活生たちの躍動で幕を開けた今年の高校総体。
平川慧(コザ3年)
「今年が最後ということで、思いが強くなってきているというのはある」
沖縄が生んだ稀代のスプリンター平川慧。今年のインターハイでは400m決勝まで駒を進めると、家族が見守る中、圧巻のレースを見せます。
平川慧(コザ3年)
「家族が来てくれるからこそ自分の支えになっている。今自分ができるのは大会で結果を残すことくらい。インターハイで感謝を伝えられたらいい」

予選落ちした去年の悔しさを晴らす最高の走りを見せた平川、県記録樹立で全国の頂点に輝きました。
女子テニスのダブルスでは、去年ベスト16で涙を飲んだ沖縄尚学が躍動。

1回戦で優勝候補を破った2・3年生コンビ、新城、水口ペアが最後まで息のあったプレーを見せ県勢6年ぶり5回目の優勝を果たしました。
過去の雪辱を果たした選手がいれば、前年度王者として挑んだ選手たちもいました。
なぎなた団体戦では連覇をかけ去年の全国王者、首里が決勝に登場。3連続引き分けで迎えた副将戦で、3年の城間こころが思いのこもったメンで一本を取ると、これが決勝点になりました。

泉水ほのか(首里3年)
「一生忘れられない夏になりました」
沖縄のお家芸、ウエイトリフティングではロス五輪を目指す本部高校3年、比嘉成が力の差を見せます。
比嘉成(本部3年)
「今回はスナッチ・ジャークとも日本高校新記録を狙いたい」

宣言通り、スナッチ、クリーンアンドジャークともに日本高校記録を上回る結果を出した比嘉。トータル201kgで日本高校記録を更新しインターハイ連覇達成です。
世界を目指す高校生は他にも。

スタンドアップパドルボード、通称SUPの世界選手権で去年16歳ながら優勝を果たし、史上最年少で頂点に立ったNHK学園高校2年の荒木珠里は、今年も絶好調。9月から10月にかけて行われた世界選手権でも優勝し、連覇達成の大記録を成し遂げました。
佐野春斗主将(沖縄尚学3年)
「この勝負をしっかり楽しむということを意識しているので、全員で勝ちにこだわってやっていきたい」
学校史上初となる、夏の甲子園ベスト4に王手をかけた沖縄尚学。4番仲田の先制2ランや、エース東恩納の好投で一時は王者慶応からリードを奪い、甲子園を湧かせました。
惜しくも4強入りとはなりませんでしたが、「全員で勝つ」にこだわった佐野キャプテンの意志は、後輩たちに託されます。
また競技によっては冬の全国大会が集大成となるスポーツもあります。

バスケット競技。女子は優勝すれば学校史上初の全国行きが決まる白の石川が、強豪小禄との接戦を制し、見事初優勝。1,2年生主体のフレッシュなチームが全国での躍進を誓います。
一方、美来工科と興南がぶつかった男子決勝はゲーム後半、3ポイントを軸に主導権を握った白の美来工科が2年ぶりの王座奪還!ウィンターカップで全国ベスト8を目指します。
ラグビーの聖地「花園」の切符をかけ決勝でぶつかったのは強豪、名護とコザ。6年ぶりの優勝を目指すコザでしたが、新チームになって県内負けなしの名護が攻守で圧倒し優勝。2年連続で花園行きを決めました。

屋部樹志(名護3年)
「自分たちは新チーム始まった当初からベスト16でシード校を倒すという目標を掲げているので、まずは花園まで良い準備をして1回戦を勝ってシード校を思い切り倒したいと思っています」
続いては春高バレー、全国切符をかけた県決勝。
女子は、両チームとも170センチ台の選手を多数擁するハイレベルな戦いも、西原の自力が勝り勝負あり。3年ぶりの全国切符を勝ち取りました。
女子と同じく西原と首里の顔合わせとなった男子。最後まで1点を争うシーソーゲームに終止符を打ったのは、西原のエース田崎憲斗でした。

男女でアベック優勝を果たした西原が、来年の春高バレー出場を決めています。
最後は男子サッカー。
初優勝を目指す名護に対するは、県内高校サッカー界の雄那覇西。
主導権を握り続ける那覇西に対し、固い守備で応戦した名護。互いにゴールネットを揺らせず勝負はPK戦に。
決めれば優勝の場面で、GKでキャプテンの松瀬がキッカーを志願し、そしてー

松瀬真之介主将(名護3年)
「名護から全国が目標だったので、達成できてうれしい。沖縄県の全チームの分も背負って全国大会に臨んでいきたい」
これから、集大成の全国大会に挑む高校生アスリートたちの活躍に期待が集まります。