自閉症について知ってもらいたいと、ことしある絵本が出版されました。この絵本、主人公のモデルとなった自閉症の子どもがいます。その息子の行動や寄り添い方に悩みながら、ともに成長してきた両親の思いを取材しました。

寄り添い方が分からない自閉症 その特性は

沖縄市の美原小学校。6年2組では、ある特別授業が行われました。

(読み聞かせの様子)
「この男の子が見えますか?この子はぎんちゃんという子です。このぎんちゃんの物語が絵本の中に入っています」

授業の教材は『ぼくはもう怪獣じゃないぞ!』。主人公は対人関係がうまく築けない小学生のぎんちゃん。やり場のない悲しみにギンちゃんは”孤独な怪獣”に変貌します。どうすれば怪獣にならずに過ごせるのかー。と、気になる物語の続きはさておき。

ぎんちゃんにはモデルがいるんです。宮古島で暮らす小学4年生・伊波銀二くんです。特技はアイロンの熱で工作するアイロンビーズです。

Qどれが好きですか?
伊波銀二くん
「ぱいーぐる。これ」

モチーフの多くは県内のゆるキャラたち。

父 伊波幸則さん
「手書きで書くんですよ。ペンで絵を描いて、そのあとに立体的にする。本人の中のやり方じゃないですかね」

一方で、クラス行事などは苦手。実はぎんちゃんは”自閉症”を抱えています。
自閉症には一般的に興味関心が限定的、対人関係が築きにくいといった特徴があるといいます。

この日は学習発表会の練習、いまどこをやっているのか見失うこともありますが、声をかけられれば対応し、手を差し伸べられれば役割をこなします。例えば自転車ひとつをとっても。

父 伊波幸則さん
「こういう特性を持つ子は、なかなか自転車を操作できないんですよ。1か月もかからない間に乗ったので。専門家もすごいと言っていました」