浦添市出身の東江雄斗選手がキャプテンを務める、ハンドボール男子がパリオリンピック出場を決めました。

激闘を終えた直後、少し枯れた声でファンに語った喜びの言葉は、これまでのハンドボール界の歴史を踏まえたものでした。

提供 JHA

ハンドボール日本代表・東江雄斗主将
「みなさん応援ありがとうございました。みなさんの応援があったからこそ、無事に優勝することができました。今まで悔しい思いをしてきた先輩たちの分も結果が残せて非常にうれしく思います。また来年パリオリンピックに向けて、また一から頑張りますので、引き続き応援よろしくお願いします」

東京大会に続く2大会連続のオリンピック出場を決めたハンドボール男子の彗星ジャパン。
アジア予選を勝ち抜き、自力でのオリンピック出場は1988年のソウル大会以来、36年ぶりの快挙。

歴史的偉業を達成した代表キャプテンはハンドボール王国と呼ばれる、沖縄・浦添市出身の東江雄斗(30)です。

カタールで開催されたアジア予選。浦添市に住む両親は、日本時間29日未明に決まった歓喜の瞬間をネット配信で見守りました。

現在、日本ハンドボールリーグの琉球コラソンの監督を務める父・正作さんと、琉球コラソンU―15の監督を務める母・功子さん。

両親ともにハンドボール選手だった東江は物心つく前から、両親のハンドボール練習に付いていき、体育館の響きを子守歌のようにして育ちました。

長年アジアの壁を前に五輪への道が閉ざされてきた日本。その歴史を知る両親は息子の偉業をたたえました。

父・正作さん
「このチームでキャプテンをしているからすごい。きょうは最高の日だ」

母・功子さん
「雄斗、ごくろうさんだ。よく頑張った。東京五輪が終わっていろいろけがもあったから本人もつらい時があったと思うけど。キャプテンとして本当にチームのためにどうするか、常に考えていたみたいなので、良かったと思います、ありがとう」

©JHA / Yukihito Taguchi

パリオリンピックの出場決定を受け30日に東京で開催された記者会見。東江はさらなる成長を誓ってこう語りました。

ハンドボール日本代表・東江雄斗主将
「来年のパリ五輪に向けて、止まることなく成長していきたいです。これに満足せずこれが僕たちの第一歩として頑張っていきたいと思います」

【記者MEMO】
中東で開催されたアジア予選。決勝のバーレーン戦は爆音のような中東の応援の中での戦いでしたが強い日本を見せてくれました。
実は、足の内転筋を肉離れするなど満身創痍の状態でアジア予選を戦っていた東江選手。パリ五輪では、より強い姿を見せてくれると思います。