鹿児島県で始まる国体の水泳競技・飛び込みに出場する津覇すみれ選手。
県内でただ1人の飛び込み選手がコーチとの絆で全国の上位をめざしています。

県内でただ一人の飛び込み選手。首里高校2年の津覇すみれ。

津覇すみれ選手
「自分が思う最高の演技ができた時の爽快感が飛込競技の魅力だと思います」

津覇は今年、県勢として30年ぶりに飛び込みで全国高校総体に出場。
初出場ながら7位入賞を果たしました。

津覇すみれ選手
「(インターハイについて)一番は自分の強みである高い飛び込みを練習通り落ち着いてできたのが一番大きいと思っていて。後半に難しい技が2~3本あるんですけど、その技を決められたのが一番インターハイで良かったと思います」

専門種目は3メートル飛び板飛び込み。高さ3mの弾力性のある板から飛び込みます。
競技を始めた小学2年のときから、高さや、足のつかない水深5mのプールへの恐怖はありませんでした。

津覇すみれ選手
「板とかもトランポリンみたいな感じ、ぴょんぴょん跳ねて楽しいって、怖いって感情をあまり意識しないで楽しく練習に行っていたと思います」

母・綾乃さん
「最初からぴょんぴょん板も飛んでいましたし。始めた翌年には10mの高さから飛んでいたので。水は楽しいもの、高いものも楽しいっていう、たまたま偶然が重なって」

夜は常設のライトだけでは明るさが足りなくなる飛び込みプール。可動式のライトの準備をするのは、母・綾乃さんやコーチの中野徳広さんです。
静岡県出身の中野コーチは1987年の海邦国体の選手強化のため、沖縄にやってきました。
しかし海邦国体後は選手集めに苦慮。インターハイや国体に選手を送れない日々が続く中10年前に津覇と出会いました。
ジャンプの高さに光るものがありました。

中野コーチ
「(高さについて)これは全国レベルに達していますので、そこらへんは他の全国のコーチも一目置いている選手です。バネも必要なんですけどタイミングですかね。もちろん高く飛ぶ技術を教えていることは間違いないんですけど、それをそのまま体現できる子はそんなにいないですよね。理論をそのまま忠実に表してくれる子です」

県内には屋外のプールしかないため、本格的な飛び込み練習ができるのは、夏を中心とした半年ほど。それでも10年をかけた二人三脚で、県勢30年ぶりのインターハイで、7位入賞という結果を出しました。

中野コーチ
「感謝しかないですね、私としては。なかなかジュニアの頃はそんなに芽が出なかったんですよ。それでも腐れることなく自分でできることを継続していって、それが力になりましたかね」

10年スパンで選手育成を考えるという中野コーチ。60歳を過ぎた今、来年度高校卒業をむかえる津覇を最後にコーチとしての卒業を考えています。

中野コーチ
「もしかしたら最後になるのかなというところはあります」

津覇すみれ選手
「中野コーチの最後の生徒かもと考えたら、悲しい感じがするんですけど。最後の生徒が私で良かったと思ってもらえるように毎日練習を頑張りたいと思います。(全国の)メダルと口にするには自分の実力が足りないと思っているので、そこにできるだけ近づけるように、自分の納得がいく演技ができるように頑張りたいと思います」

コーチとの10年の絆を力に、さらなる飛躍を誓って。津覇すみれが大きなジャンプで全国の舞台にダイブします。
「少年女子・3m飛び板飛び込み」は19日に開催されます。