先月行われたボウリングの国内最高峰、NHK杯全日本選抜選手権。そこで頂点に立ったのは、男女ともに沖縄県勢の選手でした。近年、ボウリング強豪県となりつつある沖縄。全国制覇で波にのる2人の選手を取材しました。
身長149cmの小柄な体格ながら、15ポンドもあるボールをあやつり、男性並みの球速で豪快にストライクを決めるのは太琳華(ふとり りんか) 選手。

太選手「ずっと調子が悪くて、投げ方も分からない時期が続いてた。レベルの高い大会だから、よくて予選を通るかなと思ってた」
まだ少しあどけなさの残る表情ながら、プロ顔負けの投球を見せる座波政斗(まさと)選手。
座波選手「ちゃんとスペアを取れたのでビッグゲームにつながった」

二人は、先月埼玉県で開催された、プロ選手も参加するボウリングの国内最高峰、NHK杯全日本選抜選手権で見事頂点に輝き、県勢男女同時優勝を成し遂げました。
太選手「優勝した気持ちそんなにない試合が終わった。そんなに実感がわいてない」
現在22歳の太選手。両親の影響で幼いころにボウリングを始めました。男性が使用する重たいボールを操り、指の付け根にはタコができるほど努力を積み重ねた結果、中部商業高校3年生の時には全国大会で、県勢初の2冠を達成しました。
華々しい経歴をひっさげ、高校卒業後の活躍も期待されたなか、コロナ禍が太さんを襲いました。
太選手「コロナが長く続いて大会がない、ボウリング場も開いていないくて、ボウリングできなかった」
ことし、ようやく再開された県内の大会を制し、NHK杯への出場資格を獲得。本来の実力を遺憾なく発揮し、見事優勝をつかみ取りました。
現在アマチュアで活躍する太選手。プロとしての将来を見据えつつも、好きなボウリングを自由に楽しんでいきたいと考えています。

太選手「自由なペースでイベントで投げるのも好き。プロにもなりたいという気持ちも半々、プロの試合にも出たい」
座波選手「4回目の挑戦、嬉しいし信じられない。あまり実感が湧かなかった」
NHK杯男子の部を制したのは、首里東高校3年の座波政斗(ざは まさと)さん。この大会の優勝で全日本ユースの日本代表に決定。ことし8月にはアジア大会に挑みます。

座波選手の強さの秘訣は、豊富な練習量に裏打ちされた力強さと正確なコントロール。現在、国体のジュニア県代表として、強化メンバーとともに練習しています。小学生のころからクラブで練習をともにしてきたメンバーです。
砂川舞佳さん「ギャップがいいな」
津波古蓮さん「ボウリングのときは冷静。顔色一つ変えない。いっしょに遊ぶときは信じられないくらいニコニコ」
そんな座波選手の目標は。
座波選手「8月の国際大会はチームで金メダル。10月の国体では個人団体の2冠を目指す。後輩から憧れられる人になりたい」
更なる高みを目指し、沖縄のボウリング界をけん引していく2人の今後の活躍に期待です。