先週末の沖縄県立南部医療センター・こども医療センター。 救急の発熱者が殺到しました。
通常、土日の救急は1日あたり80人から100人が受診するところ、先週末はその倍にあたる約200人が殺到しました。

対応にあたった感染症専門医の成田医師はー

県立南部医療センター・こども医療センター 成田医師
「発熱の患者さんはそのほとんどが軽症です、病院受診の必要性のない方がほとんどなんですよね。そういった方が救急に押し寄せることによって、救急外来を必要とするような例えば心筋梗塞の血管障害、私達の病院でなければ手当ができないような方の医療そのものが圧迫を受けてる」



ひっ迫するコロナ以外の一般医療。県は、今以上の感染に備えるため検査と医療体制の見直しに着手。PCR検査に代わる抗原定性検査の利用拡大を打ち出します。1日の専門家会議では、多くの専門家も賛成しました。

成田医師
「これのメリットは(結果が)すぐわかるということなんです、数時間待っても検査を受けたいという人は多いんです。そういった人には抗原定性検査キットを渡せばすぐに結果出ますし、陽性者登録センターのパンフレットも一緒に渡して、そこで完結していただく」




症状がある人の診断には有効でも、無症状者の診断ではPCR検査より精度が落ちるのが、抗原定性検査。それでも利用拡大を進めざるを得ないのは、 あまりに検査体制がひっ迫しているためです。





成田医師
「連日もう2000人以上の患者さんが出ていて、その人たちはほぼ健康な人たちで症状もあまり重くないと。その人たちが全てPCRの検査をやれば当然、本当にPCRを受けないといけない人のものが失われてしまう機会が失われてしまうことになります、ですから、発熱等の症状があって、若干その精度が低い抗原定性検査ですね。それで陽性というんであれば私達はその陽性と診る」




PCR検査は、基礎疾患のあるハイリスク者など感染を絶対に見逃せない人には、確実に行わなければなりません。抗原検査の利用拡大は、検査能力を守りたい医療現場にとって必要な選択だといいます。


影響は、これまで重点的に対策されてきた子どもたちにも及びます。 無症状や軽症の子どもからの感染拡大を阻止するため、去年始まった「学校・保育PCR」。 感染者の出たクラス単位で検査してきたこの精度は、GW以降、連100件以上の学校PCRが殺到して検査に大幅な遅れが生じ、意義のある検査ができなくなっていました。

県医療コーディネーター・佐々木医師
「だいたい5日くらい、検査結果が返ってくるまでかかっていると。ということはこのオミクロン株の足の速さだともう逃げ切られている状況で果たしてどれだけ有効なのか」


実質的に機能しなくなった学校PCR。停止はやむを得ないとの見解も出た一方で、小児科の医師からは強い反論もありました。


県立南部医療センター・こども医療センター 張医師
「学校の感染者を本気で抑制しにいく気があるのかどうか、聞いておかないといけないと思います。「隣の人が陽性になって自分の子どもはPCRしてもらえると思ってたけどされないのか、となると、それはもう「そういうことなんだ」と思いますよね普通は。もういいんだと。濃厚接触者は認定されなくていい、許容なんだという風なことと捉えられかねない」


学校PCRを止め、無症状や軽症で済むことが多い子どもの検査を自己判断にゆだねれば、感染の抑え込みを諦めたかのような、誤ったメッセージになりかねないとの指摘は他の医師からも相次ぎました。


こうした意見も踏まえたのか県は学校でも、PCRに代わる抗原定性検査の導入を速やかに進める方針を明らかにしました。 県は削減したPCR検査の余力は、感染が増えている高齢者や障害者施設の利用者の検査に振り向けるなど、重症化しやすい高齢者などの感染防止にシフトします。

成田医師
「連日本当に多数の陽性の方が全員PCRやればですね、当然圧迫を受けるというのが今の現状で、それ別に検査だけではなくて医療資源そのものですね、ベッド数もそうだしお薬の数もそうな ので、それをどうやって賢く使うかというところに行き着く」


(記者MEMO)

あまりの感染拡大でPCR検査が行き詰り、抗原定性検査の利用が拡大される方針だ出されましたが、注意も必要になります。抗原定性検査は「症状がある人の確定診断として用いる」もので「無症状の人が使用する」ものではなく、無症状の人 が抗原定性検査で陰性を確認する用途ではないことに注意が必要です。
無症状でも感染の疑いがあると思ったら人に移さないための慎重な行動が必要です。 やむを得ず拡充される抗原定性検査、使用にあたっては使用方法を正しく理解する必要があります。