

「じゃあ、お熱とか測りましょうね」
「半ズボンにしようね」
「やっぱり暑かったかな」
上原さん(仮名)68歳。要介護度は2でトイレなどに行く際は手助けが必要です。

上原さんが入居するのは、宜野湾市真栄原に ある濃厚接触者隔離施設。家族の感染や入居していた施設のクラスターによって、自身も濃厚接触者となり行き場を失った65歳以上の高齢者を受け入れています。

運営するのはNPO法人ジャパンハート。ボランティアの医師や看護師を募り、医療が十分に行き届いていないアジア各国などに無償で派遣していて、県内でもマンパワーが不足しがちな離島支援の一環として久米島に看護師を送るなどしてその功績が認められてきました。


新型コロナ感染の広がりによりジャパンハートは全国160以上のクラスター施設に医療従事者 を派遣し感染対策指導などを実施、県内でも第3波から派遣を続けています。こうした中“高齢の濃厚接触者”の受け入れ先がなく困っている事例を知り去年11月施設を開きました。
運営費は主に寄付金で県などからの補助はなく入居者が支払うのは食費などの実費1日3000円。

「(食 べるの)ゆっくりね」「はいはい」「ゆっくりよ!喉つまっちゃうから」
「買い物が大変さね。弁当がいいな」


入居者に合わせてお米の固さを変えたり、むせない様に飲み物には“とろみ”を加えるなどの気遣いも。濃厚接触者である入居者は県の方針に従い7日間は個室で過ごし、解除後は外出も可能となり、その後最大14日間滞在できます。

こちらの隔離解除となった入居者は久しぶりに髭を外で剃りました。屋外での洗顔はたっぷり水が使えてリフレッシュできる時間です。
ジャパンハート 洞口晴香看護師
「日々のことが隔離しているとなかなか出来ないので解除になってやって頂けるのはすごい大事だなと改めて思います」
上原さん(仮名)
「テレビやっぱし見るのが一番好きだな」

一日の大半を好きなテレビを見て家の様 にくつろげるという上原さん。しかしこの施設の存在を知人を通じて知るまでが長かったといいます。