引退決めた喜友名が語る、東京五輪の舞台

東京五輪金メダリスト 喜友名諒さん「選手生活は自分にとって充実した時間でしたし、空手を通してたくさんの方と出会ったり、たくさんの経験をしてきたので、自分の人生の宝物として、皆さんの役に立てるように精進していきたい」

人生をかけてきた空手競技。世界の喜友名諒が、32歳での引退を決意しました。

2018年から世界で負けなし。正確性とスピード、力強さを兼ね備えた個人形は世界を魅了。東京オリンピックで、沖縄県勢初の五輪金メダルに輝きました。

喜友名は沖縄の仲間を思い、演武したと言います。

喜友名さん「全員で挑むオリンピック、隣にいつも稽古する新があいて、前に佐久本先生が座って見ていてという風景が見えながらコートの上では演武できていたので。特別な舞台ではあったんですが、いつも通りのイメージで挑めた大会で」

団体形で世界と戦った、盟友・金城 上村も引退へ

そして、喜友名とともに団体形で世界を席巻してきた金城新(31)と上村拓也(30)も引退を決意。

ライバルであり、3人で行う団体形では一糸乱れぬ迫力ある演武で世界選手権2連覇を達成。去年12月、アジア選手権で6連覇を達成し3人での引退を決意しました

喜友名さん「3人でやり切ったっていうところまで思いを一緒にすることができたので本当に悔いなく、団体で始まって団体で締めることができたと思っています」

団体形・世界選手権2連覇 上村拓也さん「この3人だったら絶対世界一になれると、佐久本先生や先生方がやってきたことについていけば、世界一になれるんじゃないかと、どこか自信というか、根拠はないんですけど、3人だったらできるんじゃないかという思いがあって。日の丸が一番高いところに上がっていく瞬間を見た時に、いろんなものが込み上げて今でも鮮明に覚えています」

団体形・世界選手権2連覇 金城新さん「私一人では見ることができなかった世界の景色を見させてもらって2人がいたからこそ今の自分があります。最高のチームメイトであり仲間でありライバルであり家族のような兄弟のような存在です」

365日稽古を見守り続けた、恩師・佐久本嗣男さんは弟子たちの引退を名残惜しそうに語りました。

師匠・佐久本嗣男さん「いよいよこの日がやってまいりました、複雑な心境です。多くの世界で経験したこと、選手としていろんな苦い思いもいい思いもしたと思います。全てを網羅してこれがエキスになって、これからコーチとしての第一歩を踏み出すと思います。とても楽しみにしています」