県勢初のオリンピックの金メダルに輝き、世界で様々な記録を打ち立ててきた空手の喜友名諒がきのう(16日)現役引退を発表しました。ともに戦ってきた金城新(きんじょう あらた)、上村拓也(うえむら たくや)と共に3人そろっての引退です。
東京五輪の実況「この喜友名諒の金メダルが、沖縄勢初の金メダルになりました。そして今喜友名が正面に向かって目を閉じて正座。天国にいるお母さんにもこの瞬間届いているといいですね」
金メダル獲得後の喜友名のインタビュー「まずは母親にしっかり優勝したと報告しました。自分一人ではこの舞台に立つことができなかったので全てに感謝しかないです」

全日本選手権10連覇世界選手権では4連覇という記録を打ち立て、2018年2月を最後に負けなし、その国際大会での優勝回数はギネス世界記録に認定されました。
突然の引退報道に県民は―

女性「え?いま知ってビックリです。印象に残るのはオリンピックですかね。優勝されてね。すごく頑張っていたので。沖縄県民の誇りですよね」
男性「沖縄で生まれたという歴的な空手をオリンピックで全世界にアピールできたわけだから。その功績は大きいしね。今後は指導者としての道があると思うので。それで頑張ればいいのかなと思うけど。まことに残念だ。早い!惜しい!」

そんな喜友名がこだわり続けたのが、団体形、金城新・上村拓也との一糸乱れぬ迫力ある演武は3人の絆の証でした。
喜友名諒「ずっと一緒に稽古してきて、試合でも勝負してきて、ずっと小さい時から練習ばかり一緒にやっていたので」
世界選手権では団体形でも2連覇を達成。しかし3連覇を狙ったおととしの世界選手権、団体形の出場を逃した時は普段は見せない、悔しい表情を浮かべました。
喜友名諒(当時)「個人だけ選ばれたんですけど、その時は、個人も出場したくないぐらいの気持ちで」

去年から個人での試合出場を封印していた喜友名ですが、去年12月のアジア選手権には、金城・上村と共に、団体形に出場し6連覇を達成。後輩の上村は、恩師:佐久本嗣男さんへの思いと今後について涙ながらに語っていました。

上村拓也「この先生の空手を子どもたちにつないでいけるようにしっかり先生方の背中を追って、もっともっと精進して、もっといい沖縄の伝統文化を振興発展できるように、微力ではありますが精進して頑張っていきたいと思います」
世界に沖縄空手の強さを見せ続け、3人そろっての引退を決意した喜友名・金城・上村その思いは来月17日の記者会見で語られる予定です。
【スタジオ解説】
喜友名選手の形というのは気迫やスピードそして美しさもあって毎回圧倒されましたし、金城選手と上村選手との団体形がさらに迫力があってこの演武がもう見られなくなるかと思うと少しさびしい気持ちがありますね。
(下地キャスター)
そう思っている県民や全国の空手ファンは多いんじゃないかなと思います。喜友名選手としては個人ではおととしオリンピックそして世界選手権も4連覇を達成して世界での獲るべきものは全て獲ったという印象ですがやはり金城選手・上村選手と磨いてきた団体形への思いは相当強くて去年12月のアジア選手権まで現役を続行して最後まで3人で戦い尽くしたいという思いが強かったのではないかと思います。
Q365日稽古を続けてきた師匠の佐久本嗣男さんもさびしい思いなのでは…
(下地キャスター)
始まりがあれば終わりがあるんだとおっしゃっていましたが、彼ら3人のおかげで後輩たちも育ってきているんだとおっしゃっていました。
喜友名選手、金城選手、上村選手の空手への思いは来月17日の記者会見で語られます。