訓練の警報音「ミサイル発射。ミサイルが発射されたものとみられます」

1月22日の那覇市新都心。外国からの弾道ミサイルの飛来を想定した住民避難訓練が実施されました。国、県、那覇市が共同で行った訓練には、近隣住民や消防団など106人が参加。

「頭守ってください。頭抱えてください。頭抱えてください」

屋外にいた住民たちは『市民協動プラザ』の地下駐車場に避難。銘苅こども園で餅つき大会で集まっていた園児らは防災頭巾を被って、保護者と共に園内へ。
消防の指示のもと、窓から距離をとり、頭を手で守りながら、身を屈めました。

保護者「避難といったら火事や地震だったんですけど、それにミサイルが加わりまして、ビックリしました。テレビの向こう側だと思っていたことが、身近になったなと」
「でも子どもと、こうやって体験できるのはなかなか無いので、よかったと思いました。最近ロケット結構飛んできたりしているから」

見慣れたスピーカーから、初めて聞いた『ミサイル発射』のアラート。敏感に反応したのは、子ども達でした。

園児「あのさ、ミサイルの音が怖かった」
  「死ぬかと思ったし。ミサイルが来たのが怖かった」
職員と園児「子どもたちも音とかも怖がっていたので、怖い印象の方が強いかな」
     「ミサイルは本当のミサイル?」
     「あれは訓練だから偽物のミサイル」

住民避難訓練が始まった時刻。施設の前では―

抗議する市民「恐怖をあおる訓練止めろ!恐怖をあおる訓練止めろ!」
      「軍拡よりも外交努力を!軍拡よりも外交努力を!」

訓練に反対する市民ら40人ほどが集まって。抗議の声をあげました。

抗議する市民「基地があるからやっぱり狙われる。狙われるから避難訓練をするってことじゃないですか。戦争大前提と受け入れているに等しいと私は思っています」
「”戦争の準備”という形にしか、特に今日の訓練は見えないので。やっぱり(平和は)対話」
遺骨収集ボランティア 具志堅隆松さん
「(市民を)助けるという意味が、避難訓練とかシェルターじゃないんですよ。戦争をさせないために全力を尽くしてほしいんですよ。それを最初から避難訓練をするというのは、戦争を受け入れるという間違ったサインを周りに送ってしまっています」

戦争に発展するような事態を避けるために必要となる国の外交。『那覇市として国にどのようなメッセージを発信してゆくか』という問いかけに、知念市長は次のようなコメントをしています。

知念那覇市長「最悪のことは、絶対に起こしてはならない。(国が)どういう外交努力をなされているか。開示できる部分は精一杯開示してもらって、国も県も市も連携してやっているとしっかり市民に見せていく。これが私の責務だと思う」
「10時6分には皆さん、避難が出来ていたということで、通過時間より2分早く避難できてた行動でしたので、非常にスムーズだったと思います」

那覇市で初めて実施されたミサイルの飛来を想定した訓練。今後の実施について、知念市長は、「国と連携してスケジュールを見て判断する」としています。