総合格闘家で去年UFCとも契約した那覇市出身の平良達郎(たいら たつろう)選手(22)と、スタンドアップパドルボード通称SUP(さっぷ)の世界選手権で史上最年少優勝を果たした名護市出身、荒木珠里(あらきしゅり)選手(16)。
競技の垣根を越えて、初対面した若手アスリートによる対談をお届けします。

平良達郎 選手
「総合格闘技をやっていて、UFCで戦っています、平良達郎です。宜しくお願いします!」

荒木珠里 選手
「SUPで世界で戦っていて、高校1年16歳、荒木珠里です。宜しくお願いします!」

初対面。ややよそよそしく始まった対談ー

平良達郎選手はプロ・アマ通して23戦全勝。未だ負けなしの強さを誇り、去年2月総合格闘技世界最高峰の舞台「UFC」と契約を結び、本格的に世界への挑戦が始まりました。

打撃、投げ技、寝技など、多様な駆け引きが魅力の総合格闘技の中で、UFCはバスケで言えばNBA、野球で言えばメジャーリーグのような位置づけ。平良は、そんな夢舞台に競技歴8年ほどでたどり着いた超新星です。

平良達郎 選手
「去年は“変化の年”というか、今まで日本で戦っていたのが去年の2月にUFCと契約できて、戦う場所がアメリカに移って去年の終わり頃には海外に行くことに抵抗がなくなるくらい自分の中で格闘技以外の面でも成長できたと思えた年だった」

荒木珠里選手は「スタンドアップパドルボード」通称「SUP(サップ)」で世界ツアーに参戦する高校1年生。去年、世界選手権で大会史上初の2種目同時優勝と史上最年少優勝を達成し、世界に衝撃を与えました。

さらにSUPは、2028年ロサンゼルスオリンピックの種目として認定される可能性があり、もし決まれば荒木は金メダル候補筆頭と言える存在です。

荒木珠里 選手
「去年一年で一気に海外に出て突き抜けることができたと思う。中でも世界大会で優勝することもできて、とても良い経験になった」


競技は違えど「世界で戦う」という共通点のある2人に、予め互いに質問したいことを考えてきてもらいました。

平良達郎 選手「僕からでいいんですか?彼女はいるんですか?」
荒木珠里 選手「いや、彼女はいないです(笑)。達郎さんはいますか?」
平良達郎 選手「あ、いないです笑」

荒木選手⇒平良選手
Q:格闘技を始めたのはいつ?きっかけは? 

平良 「始めたのは高校1年生の夏頃で、中学校まで野球をやっていたんだけど、中学校の当時のコーチが怖くて、(間カット)兄ちゃんがもともと今のジムに入っていて、誘われる形で一緒に入門したのがきっかけ」

荒木「僕の今の歳(16歳)から格闘技を始めたということですよね?そこからUFCに行くって、、すごいっす…」
平良「荒木くんは何歳から始めたの?」

荒木「僕は6歳の時にSUPでお父さんの前に座って一緒にSUPでサーフィンしたのがきっかけで、それから今までずっと10年間やってきている」

平良選手⇒荒木選手
Q:SUPの一番楽しい時を教えてください

荒木「SUPってレースだけじゃなくて、他にも色んな年代でできる楽しさがあって、僕の9歳と5歳の妹もSUPをやっている。SUPでサーフィンしたり、海にもぐったり、SUPの上から釣りもできる」

荒木選手⇒平良選手
Q:総合格闘技の面白いところ、難しいところは?

平良「相手が本気で逃げようとしても決まるんだとか、そういう一つ一つが楽しくて、パンチってこんなに難しいのかとか、まっすぐ打てないもんだなとかそういう難しさも楽しくてどんどんのめり込んでいった感じかな」

Q:格闘技以外の趣味は?
平良「Netflixとかでアニメとか、めっちゃ好きってわけではないんだけど、試合のたびにハマっているアニメが違って。練習が終わって家に帰って横になりながらアニメ見る時間ががほとんどだから」

荒木「僕は趣味で行ったら読書をしていて、最初はずっと読書で今もしているが、ハリー・ポッターとか」
平良「え、ハリー・ポッターってめっちゃ分厚いやつ?」
荒木「小学生の時に読んで、それで一気にハマりました」

荒木選手は生粋の読書好き。小学校と中学校の9年間で2000冊以上の本を読み、図書室中の本に触れたそうです。

沖縄が誇る2人の若武者。彼らにとっての2023年とは。

平良達郎 選手
「来年のための今年だと思っていて。来年、UFCのベルトをとるために今年を過ごそうと思っています」

荒木珠里 選手
「今年は、去年から本格的に参戦したAPPワールドツアーで年間のシリーズチャンピオンを狙って行きたいと思いますし、ハワイにある島から島、モロカイ島からオアフ島まで60kmの大会があるが、その海峡横断レースで史上最年少で優勝がしたい」

着実に世界の頂点に向かっていることを感じさせる期待の星たちは、近い将来、沖縄を歓喜の渦に包むかもしれません。


【記者MEMO】
SUPの荒木選手によると、去年行われたサーフィン連盟の大会にIOC関係者が訪れ、オリンピック競技に推薦する意向を示すなど、正式種目入りへ着実に前進しているようです。
金メダルを目指す荒木選手と日本人初のUFC王者を目指す平良選手。2人のこれからがますます楽しみです。