「基地は減っていくはずだった」—裏切られた期待と自責の念

具志堅勝也氏：
彼が信じて疑わなかったのは、日本が沖縄の施政権を取り戻すと。
これだけ集中している沖縄の基地は、後々の政権が減らしてくれるだろうという期待を抱いてた。
それが見通しが甘かったわけですよね。

しかし復帰後も沖縄の基地負担は変わらず、むしろ固定化されていきました。自責の念を覚えた若泉氏は、著書で対等とはいい難い日米関係を暴露することで、現状を変えようと試みたのです。

若泉氏と親交のあった具志堅勝也氏（元RBC記者）

具志堅氏が続けます。

具志堅勝也氏：
彼は、秘密を暴露した国賊として国会喚問を受けて、糾弾されるだろうと。
その時に、日本はまだ米国の属国でしかないと。もっと日米が対等な関係になって、逆に世界平和をリードしていくような、独立した国にならないといけないと訴えようとしていた。

しかし、当時の国会もマスコミも、この告発をほとんど話題にしませんでした。失望の中で綴ったのが、遺書でした。