去年12月、自宅で出産した赤ちゃんを胸に押し付けて死亡させたとして殺人の罪に問われている母親の裁判が10日、那覇地裁で開かれ、母親は起訴内容を認めました。

この裁判員裁判は去年12月、沖縄市の自宅敷地内で出産した赤ちゃんの顔を、自分の胸に押し付けて死亡させたとして沖縄市の無職、嘉陽菜奈美被告(31)が殺人の罪に問われているもので、10日の初公判で嘉陽被告は起訴内容を認めました。

複雑な家庭環境が影響と弁護側

事件直後に封鎖された現場付近

検察側は冒頭陳述で、嘉陽被告が赤ちゃんの泣き声で家族に出産を知られてしまうことを恐れて犯行に及んだほか、姉や友人に対して妊娠していないと装うメッセージを送り、犯行の発覚を免れようとしたと指摘しました。

一方弁護側は、嘉陽被告の複雑な生い立ちや、妊娠を重ねた経歴から、家族や交際相手に相談できなかったことが犯行に影響していると説明。犯行を自首したことや、今後は家族や交際相手が支えていくことを理由に情状酌量を求めました。

裁判の争点は量刑で、今月12日に結審し、同20日に判決の予定です。