去年11月、沖縄県内で成人女性に性的暴行を加えてけがを負わせたとして、30代のアメリカ海兵隊員が不同意性交等傷害の疑いで書類送検されてから1月15日で1週間です。去年10月、基地の外でのアメリカ兵らの深夜の行動を制限する「リバティー制度」が強化されていた中でのできごと。制度は歯止めとならなかったのか。深夜の基地の街を取材しました。


▼神里晏朱記者
「沖縄市のゲート通りです。公共の場における飲酒が制限される午前1時を過ぎていますが、飲食店の中や周辺ではアメリカ兵の姿がみられます」

地元の女性
「ひとりでは(夜間に)あまり歩かないかなって感じです。友達と離れて早く帰るよとなっても、必ずタクシーに乗ってとか。やっぱ外国人が今多いので」

米軍嘉手納基地にほど近い、深夜のゲート通り。

去年アメリカ兵による性的暴行事件が相次いだことを受け、アメリカ軍は基地の外での行動を規制する「リバティー制度」を強化し、午前1時から5時まで、公共の場での飲酒や酒を提供する施設への立ち入りを禁止しています。

アメリカ兵は、制度の強化についてどう受け止めているのでしょうか。

▼嘉手納基地所属の米兵
「軍人が(定められた時間に)家に帰ることは良いことだと思う、そうすることでトラブルが起きないと思うから。軍人が地元の人や他の軍人とよく揉めるのは目も当てられないからね。今何時だろう。今すぐ帰宅しないと」

▼嘉手納基地所属の米兵
「僕たちには毎日外出禁止令が出ていて、午前1時過ぎには飲酒しないよう注意している」

▼嘉手納基地所属の米兵
「毎日午前1時を過ぎたら公共の場所で飲酒できないから、その時間を過ぎて飲みたくなったらプライベートなところで飲んでいる」

一方、こんな声も。

▼嘉手納基地所属の米兵
「(Q.リバティー制度にみんな従っていると思う?)そう思う。(Q.誰も違反していない?)沢山とは言わないけど、たぶん何人かの米兵は背いていると思う」


午前2時前になっても、クラブやバーを出入りするアメリカ兵の姿が見られました。通りには見回りをする憲兵の姿も。

▼飲食店従業員
「午前1時以降に米兵を見つけて、憲兵が米兵に声をかけて、君1時以降だよ戻ってっていうのはありました」

店の売上にも変化があったそうです。

▼飲食店従業員
「自分たちもそうですけど、他のお店の人たちも軍関係者が1時までっていうのがあって売上が落ちたのは事実」

そもそもリバティー制度によってアメリカ兵による性犯罪を防ぐことができるのでしょうか。

性犯罪や被害者支援に詳しい琉球大学の矢野教授は、制度の効果を疑問視しています。