ALS=筋萎縮性側索硬化症は全身の筋力が徐々に衰える進行性の病気です。ALS患者のニュージーランド人の男性とその妻が大分県別府市で新たな生活を始めています。難病と向き合う夫婦の姿を追いました。

【写真をみる】夫が難病ALS 気管切開を決断、NZから移住 残酷な現実と向き合う夫婦

突然足を引きずって歩き…ALS診断

パン・サイモン・ショウセンさん(38)は、36歳の時にALS=筋萎縮性側索硬化症を発症しました。ALSは筋肉を動かす神経が障害を受け、脳からの命令が伝わらないために筋肉がやせていく難病です。

サイモンさんは日本の医療を受けるため、妻の彩香さん(31)とともにニュージーランドから彩香さんの実家がある大分県別府市に去年、移住しました。

彩香さん:
「ニュージーランドではヘルパー探しも自分でやります。ヘルパーさんにお願いしていても用事があるからとその日に来ないとかある。それで介護疲れみたいなこともあった」

サイモンさんは香港生まれのニュージーランド人。会計士として働いていました。一方、別府市出身の彩香さんは高校時代、語学研修でニュージーランドへ。大学時代にワーキングホリデーで再び訪れ、サイモンさんと出会います。

2人の新婚生活がスタートしましたが、サイモンさんが突然足を引きずって歩くようになりました。さらに症状が悪化したため病院を受診、ALSと診断されました。

去年5月、東京の病院でセカンドオピニオンを受けた頃には、サイモンさんは補助器具や介護なしでは歩行や食事ができなくなるまで症状が進行します。

彩香さん:
「本当にえっという感じでした。インターネットで病気について調べたら余命が2年~5年と書いていて…気管切開しないと亡くなってしまうという情報しかなくて」