旧野津高校の跡地を活用する事業で運営会社が半年で撤退した問題について、臼杵市は検証を終了させ、再度、活用に向けて取り組みを進めていく考えを示しました。

この問題は、市がおよそ4億円を投じた事業をめぐり、公募で選んだ野津町の農業法人「ネクストファーム」がわずか半年で事業を停止。その後、経営破綻したものです。

これを受けて、市は今年6月に内部で行政事務の検証委員会を立ち上げ、「公募の審査の仕組みに最大の問題があった」とする結果を公表。8月末には市民説明会を開催し、検証結果について説明しましたが、参加者からは「市役所の内部だけで検証するのではなく、第三者委員会を設置して徹底的に調べるべき」などといった意見が相次いでいました。

20日に行われた市議会の一般質問で、河野巧議員がこの問題について質問し、中野五郎市長は第三者委員会の設置について、「市の検証委員会の結果は監査委員や市議会の提言も踏まえて取りまとめたもので、単に内部の検証で済ませたものではなく、職員による横領や収賄などの不祥事も確認されていない」として設置しないことを明言しました。

中野市長はさらに「早期の再活用に期待する声や活用に意欲的な声に応えたい」として、市による行政事務の検証を終了した上で、今後、現地説明会や見学会を開き、意見や提言を聞きながら、再び活用に向けた取り組みを進めていく考えを示しました。

また、市は8月末の市民説明会に訪れたおよそ80人のうち、半数の40人ほどが市の職員だったことを明らかにしました。これについて、「職員の中でこの問題に対する意識が高かった結果で、動員はしていない」と説明しています。