生まれつき左手の指の一部がない野球少年が大分市にいます。ハンデとは感じずに白球を追い続ける小学4年生に密着しました。
少年野球チーム「王子スポーツクラブ」(大分市)に所属する春日町小学校4年の羽田野晴斗くん。守備では右手に装着したグラブで捕球。すぐにグラブを左脇で挟んで持ち替え、右手で送球します。彼の左手は生まれつき親指以外、人さし指が短く、3本の指がありません。
羽田野選手:
「2つ上の兄ちゃんが野球をしていて、練習について行ったら楽しくなって8歳から始めました。キャッチボールのとき、いい球がきたら良い音が出るし、バッティングのときは打てたら気持ちいいから野球が大好きです」
「打撃や守備で大変と思ったことはありません。『左手を使わなくてもできることがある』とおじいちゃんが教えてくれたから。練習をあまりしなくてもグラブを持ち替えることもすぐにできるようになりました」

この日は5年生以下のメンバーによる県大会の予選が行われ、6番センターでスタメン出場しました。
バッティングは右手でグリップをしっかり握り、左手を添えるだけでスイングします。試合では4回表に1アウト1・2塁のチャンスで打席が回ってきました。しかし、振り抜いた鋭い打球はセカンドの正面へ。ヒットとはなりませんでした。
残念ながら2打席ノーヒットで結果を残せず、試合も敗れました。
羽田野選手:
「ピッチャーの球が良かったから押し返されてゴロになっちゃったけど、もうちょっとボールの下を叩いていたら打球が上がっていたかなと思ってそこを後悔しています」

王子スポーツクラブ・甲斐樹コーチ:
「プレーで何かこれができないとか支障があるなと感じたことはない。基本的に野球が好きで一生懸命やってくれるのでチームの雰囲気を明るくしてくれる。そういう存在なのでみんなも頼りにしている」
母親の加奈さんは、ハンデを感じず、すくすくと成長する我が子の姿に目を細めています。
母・加奈さん:
「指がないというのは私たち家族にとって日常でしかない。困ったことがあったら学校から連絡をもらうようにしているが、そういうことがほとんどないので、彼なりにうまくやっているのだと思います。いつもニコニコして元気に野球を続けているのは晴斗の心の明るさです。だからこれからも応援します」
じっちゃんの言葉を信じ、大好きな野球がもっとうまくなるため、晴斗くんはきょうも白球を追いかけます。

羽田野選手:
「憧れはソフトバンクの今宮選手です。華麗な守備が恰好いい。将来は守備もバッティングもできる一流の選手になり、みんなから必要とされる選手になりたい」



















