睡眠不足は健康をはじめ経済活動にも大きな影響が出るといわれています。睡眠の質を上げる方法や枕えらびのコツ、そしていま注目のヘッドスパを取材しました。

睡眠不足で免疫力低下や生活習慣病に

日本人の1日の平均睡眠時間は7時間22分。慢性的な寝不足状態となっています。経済協力開発機構が33か国を対象に行った2021年の調査では、日本人の睡眠時間は世界の平均と比べて1時間以上短く最下位です。アメリカの研究所は睡眠不足による労働効率の低下などにより、日本の経済損失は15兆円にも上ると試算しています。

街の人:
「午前0時半に寝て朝の6時半に起きています」「きょうは3時間寝ました」「疲れがひどい時はうるさいくらい、いびきをかいてそれで目が覚めることもある。寝たい、寝られるだけ寝たい」

日本人の睡眠不足について、専門家は警鐘を鳴らしています。

県立看護科学大学精神看護学・影山隆之教授:
「自分に必要な睡眠時間を皆さん過小評価している。いろんな病気になりやすくなることも分かっているので睡眠不足は一つもいいことがない」

睡眠の専門家、影山教授によりますと、最初の深い眠りの際に成長ホルモンが大人になっても分泌され傷んだ体を修復。そのため睡眠が不足すると免疫力の低下や生活習慣病につながるといいます。

県立看護科学大学精神看護学・影山隆之教授:
「最近わかってきたことだが脳に溜まっている老廃物を睡眠の間に外に出しているのではないかと。逆に言うと眠りが悪いとアルツハイマー病になりやすいのではないかと言われている」

影山教授による睡眠の質を上げる方法は「朝の光を浴びること」。朝一番に光を浴びて約16時間経つと『メラトニン』というホルモンが分泌されます。この『メラトニン』は眠気を促す効果があると同時にがんの予防にもつながるということです。また、起床時間や食事などの時間を決めて規則正しい生活を送ることも重要です。

県立看護科学大学精神看護学・影山隆之教授:
「どうしても睡眠時間が確保できない人は最初の90分から2時間程度しっかり寝ていればそこそこの体調は維持ができる。その代わり週末に無理はしないで疲れや寝不足がたまっているのであれば週末は早く寝たほうが良い」