仕事の「姿勢」に上司や仲間の期待が高まる

エサやりは食べ具合をはじめ、体調を観察しなければならない貴重な時間です。生き物の命を預かる責任からか、表情がこわばる尾本さんに上司が声をかけます。

(上司の冠城貴紀さん)「尾本さんが楽しくやったらイルカが楽しくなる。イルカが楽しくなったらそれを見てお客さんがいきいきしているな、うみたまごにまた来ようとなるから笑顔で常に楽しむ練習をしていったほうがいい」

上司がアドバイス

(尾本楓さん)「分かりました」

(うみたまご飼育部獣類グループ・冠城貴紀サブリーダー)「尾本さんは本当に真面目だと思います。言われたことを一生懸命ノートにまとめたり、教えたことは丁寧に家でもイルカがいる想定で練習している。そういう面ですごく期待しています」

信頼関係を築くため「猛特訓」続く

パフォーマーとしてデビューを目指す尾本さん。平日はイルカショーの回数を減らして猛特訓に励んでいます。こうした中、先輩トレーナーとやっと一息つけるのが昼休み。大きめのタッパーにごはんを敷き詰めたボリュームたっぷりの弁当を頬張ります。

(尾本楓さん)「仕事が体力勝負なのですぐにお腹がすいたり夏バテになるので、なるべく大きいほうがいいと思ってこのタッパーを買いました」

言葉が通じないイルカに演技させている方法がハンドサイン。例えばトレーナーが手をあげた時、イルカがジャンプするようトレーニングされています。また、「ホイッスル」も重要です。甲高い音はトレーナーの「OK」サイン。イルカがパフォーマンスを成功させた瞬間にホイッスルを吹き、ご褒美としてエサを与えます。まだ新人の尾本さんにはベテランイルカがパートナーに。日々の訓練を通じて信頼関係を築いています。

(先輩トレーナー)「ホイッスルを一回転の手前で吹いておけばよかったと思う。あれを褒めてあげるとノッてくるわ。尾びれが入ったタイミングで後ろに下がっていたのはよく見ている」

先輩トレーナーが「ホイッスル」のタイミングをアドバイス

「この人なら大丈夫、任せられるという人材になりたい」

(イルカの新人トレーナー尾本楓さん)「視野だったり観察力が重要なので、そこを養うのがすごく難しい。水族館でしか触れることがないような魅力を伝えていったりトレーナーとしてこの人なら大丈夫任せられるという人材になりたい」

イルカと向き合い一歩一歩成長している新人トレーナー。観客に笑顔を届けるパフォーマーデビューはすぐそこまで迫っています。