大分県警は別府市で去年、大学生2人が死傷したひき逃げ事件の遺留品や情報などを新たに公開しました。

八田與一容疑者は別府市で去年6月、赤信号で停止していたバイク2台に軽乗用車で追突。大学生2人を死傷させ逃走した疑いが持たれています。6月で事件発生から1年が経過するのを前に県警は26日、八田容疑者の車から見つかったスリッパやスニーカー、リュックサックのほか脱ぎ捨てたTシャツを公開。県警によりますと、車内にはほかにも数千円が入った財布やスマートフォン、直前に買い物したコップやレシートも見つかったということです。

警察によりますと、八田容疑者は身長が175センチで脱ぎ捨てたTシャツはLサイズ、本人のDNAと一致しています。スリッパは28センチで左のスリッパが運転席の下、右のスリッパは車外でみつかっています。スニーカーは27センチで助手席で確認。リュックサックは数千円が入った財布などがあり、現金を所持して逃げたかは不明です。

また県警は八田容疑者の知人提供の動画や事件前後の防犯カメラの映像も公開。事件発生からおよそ3時間半前、市内の商業施設の防犯カメラには八田容疑者がコップ1個を買い、黒の財布や白のビニール生地のポーチが確認されました。八田容疑者と被害者は店内で接触していないということです。

事件発生から1分後。団地の間を抜けて海方面に駆け足で向かう八田容疑者を捉えています。その後、別府警察署の近くを走り抜け10分後には街中を裸足で歩き、時折後ろを振り返る姿が確認できます。八田容疑者は事件発生からおよそ12分後には2キロ離れた地点に移動したことが分かります。

八田容疑者の土地勘のある場所として警察は栃木県日光市、千葉県千葉市、石川県鹿島郡・大分県杵築市をあげています。

(八尋記者)「たくさんの船が並ぶヨットハーバー。事件発生から2日後、八田容疑者が着ていたTシャツが丸められた状態で発見されました」

去年7月1日、現場からおよそ2キロ離れたヨットハーバーで八田容疑者が脱ぎ捨てた黒いTシャツを警察が発見しました。

(ヨットハーバーのスタッフ)「ヨットの中に容疑者がいないかを(警察が)チェックしていた元々ヨットや船に鍵は置いていないし、あったとしても素人が普通に運転して外にでるのは難しいと思う」

遺族は「なぜ今まで大事な映像、車両や遺留品を公開しなかったか。息子ら2台のバイクを警察署で確認し、この事件の残酷さを目の当たりにし改めて怒りがこみあげ手が震えました」とコメントしています。