一升瓶が不足…需要回復で供給追いつかず

大平酒店・大平隆史代表「蔵元のほうから瓶の仕様が変わりますという通達なんですよ」

文章には「瓶メーカーの工場閉鎖などによる供給不足」のため、瓶の色などを変更すると書かれています。実は、一升瓶の出荷本数は新型コロナの影響で大きく減少し、大手瓶メーカーが生産工場の1つを閉鎖。5類明けの需要回復に、供給が追いつかない状態が続いています。

大平酒店・大平隆史代表「酒類業界を狙い撃ちされているような…本当ひどい話になってるなと。微々たるものですけど『うちのほうで一升瓶を引き取ってますよ』というお声がけをするとか、そういう方向性は強化していったほうがいいと思う」

新しいジャンルに挑戦している業者もいます。大分市牧でおよそ60年おしぼり業を営む「ウエノお志ぼり商会」。これまでの取引先は県内のホテルや飲食店が中心でした。

ウエノお志ぼり商会・宮本令子社長「20年の4月を思い出したら、今でもぞっとするんですけど、祖母の仏壇に『ごめんね、会社つぶすかもしれない』という感じの日だったんですが、こんなにおしぼり入れた箱が並んでるのはすごい感慨深いですね」

ウエノお志ぼり商会・宮本令子社長

コロナ禍でタオルおしぼりの出荷本数が5分の1以下まで落ち込む中、ある事業を伸ばしました。

ウエノお志ぼり商会・宮本令子社長「こちらが美容院のレンタルタオルの作業場になります。こちらの需要がすごく増えて、コロナ前から比べると1.5倍」

この会社が注目したのは「レンタルタオル」。コロナ禍で人手が減り、タオルを洗う余裕がなくなった美容室が増えた結果、タオルの貸出事業が大きく伸びました。また、手指の消毒に使える紙タオルの種類を増やし、車のディーラーなど新しい取引先を増やしてきました。

ウエノお志ぼり商会・宮本令子社長「コロナの間に、どんな業界の方も色んな様々な努力をされてたと思うんですね。5類になったというところで、その結果が今から出てくる。さあ、やるぞ!というそういう風潮になってるんじゃないかなと思います」

3年間もがき苦しんだ飲食業界。将来の不安を残しながら、一歩ずつ、長いトンネルを抜けようとしています。