高層マンション慣れで『怖い』という感覚芽生えにくい

東京都が行った実験映像では、ベランダの手すりに見立てた高さ110センチの障害物に対し、6歳児はほぼ全員が、4歳児は約7割がよじ登りました。また、足がかりを使って10秒程度で乗り越える2歳児もいました。

(別府大学初等教育科・石川千穂子講師)「好奇心を持ったものに対してはどこまでも進んでいくというこの頃の子どもの発達の特徴がある。生まれたての赤ちゃんが4頭身、2歳ぐらいになると5頭身になる。だから頭が重たくて重心が上にあるからバランスが悪いのでちょっとしたことで頭の重みで転んでしまう」

また、子どもは高層マンションに慣れてしまうと高いところは怖いという感覚が芽生えにくいと言います。

(別府大学初等教育科・石川千穂子講師)「私たちは8階から下を見下ろしたらぞっとする高さだと思うが、(子どもたちは)毎日そこで暮らしているとその高さの感覚がわからなくなる。『のぞきこまない。高いところは危ないよね』というのを大人が一緒に教えていく必要がある」

大分市にある不動産会社「豊後企画集団」ではファミリー層などへ補助錠の取り付けを進めています。窓に貼るだけの簡単な取り付けのほか、子どもが届かない位置につけることで転落防止や防犯への効果が期待されます。

(豊後企画集団お部屋ラボ事業部・溝部教証さん)「ちょうどお引越しが落ち着かれてお子さんがワクワクしているタイミングだと思うのでこういった商品を活用して少しでも悲しい事故がなくなればいいなと思う」

悲惨な事故を防ぐためには大人たちが対策を講じるだけでなく子どもたち自身も危機管理能力を身につけることが求められます。

(明星幼稚園・岩光一郎園長)「いつでも起こりうると職員の中で意識を持っておくということ、みんなで事故が起きないような環境を作るということが大事だと思う」

落ちるまではあっという間の事故。初夏を前に子どもの目線に立って窓やベランダ周りを今一度確認することが大切な命を守ることにつながります。