子どもが窓やベランダから転落する事故がこの時期から増える傾向にあります。なぜ転落事故が増えるのか?悲惨な事故から子どもたちを守るための対策を取材しました。

初夏から増える子どもの転落事故なぜ?

大分県別府市にある明星幼稚園。2階建ての建物には3歳から5歳の園児115人がのびのびと過ごしています。

(明星幼稚園・岩光一郎園長)「窓の前には物を置かないよう徹底している。子供たちにはイスなどを持ってこないよう指導している」

2階からの転落事故を防ごうと、園は窓の鍵をおよそ1メートル50センチの高さに設置。教室の窓には柵を付けるなど対策を徹底しています。

名古屋市では3月、マンションの7階から2歳の双子の男の子が転落して死亡する事故が起きました。消費者庁によりますと2020年までの5年間、9歳以下の子どもが建物から転落した死亡事故は21件発生し、5月から8月までに14件と夏場にかけて多くなっています。年齢別にみると3歳と4歳がいずれも5人と最も多く、場所別では全体で「ベランダ」からの転落が8件、「窓」からの転落が4件などとなっています。

一方、東京消防庁によりますと、2022年までの5年間で5歳以下の子どもが転落した事故は70件で、月別では5月が最も多い21件で、次いで10月が10件、6月が7件となっています。

本格的な夏や冬ではエアコンをつけるため、窓を閉める家庭がほとんどですが、過ごしやすい5月や10月は窓を開けたり、洗濯物を干したりする機会が増えるということです。また、ベランダにイスやテーブルを置いて食事を楽しむ家族も最近増えていて注意が必要です。

(街の人)「2歳とか3歳の時は危険なことに気をつけた」「台とか使ってベランダに行って外を見たらだめと教わった」「最初から危険だと教えていたらちゃんと注意するようになると思う」