日本一のアーケード街が瓦れきの山に…

一方、住宅の耐震化とともに懸念されるのが街中の防災対策です。大分県で最大震度5強を観測した去年1月の地震では各地でブロック塀が倒壊するなどの被害が相次ぎました。

1953年に完成し、長さが428メートルとかつて日本一のアーケードを誇っていた別府市の「楠銀天街」。アーケードの一角が、崩れた建物により瓦れきの山となっています。この建物は所有者がわからない空き店舗で、地元住民を悩ませています。

別府市千代町自治会長・木下勇さん:
「解体した訳じゃない。上から物が落ちた。みなさん大変困っている」

老朽化によって崩れたというこの空き店舗は木下さんら地元住民の訴えもあり、別府市の代執行によって2月に強制的に解体されることに。

別府市千代町自治会長・木下勇さん:
「(アーケードを支える)太い柱が全部ぼろぼろの状態。かろうじて立っている」

このほかアーケードの老朽化により柱の根元が錆びたり、屋根の一部が落ちてきたりと危険な状態が続いています。そのため木下さんは防災の観点からもアーケードの撤去を含めて対策を考えたいと話します。

別府市千代町自治会長・木下勇さん:
「地震があった時にもし倒れて住民にけがでもあったら大変。別府市と連携して危険なものは先になんとかしてもらい、新たな街づくりをがんばっていく」

大分県内では近い将来南海トラフ地震の発生が懸念されていて、住宅の耐震化や街中に潜む危険を取り除く課題に直面しています。