鏡の前で気づいた「奇跡の一致」
この日病院から帰宅後、鏡の前に立った私は言葉を失った。
目の周りはどす黒い紫色に染まり、上唇はパンパンに腫れ上がり、目の下には黒い糸で9針縫われた生々しい傷跡があった。
そして、あることに気がついた。傷跡が、メガネのレンズの輪郭と「完全に一致」していたのだ。
私は強い近視のため、メガネのフレームからレンズがはみ出るくらいにフチが分厚い。あの0.6秒の瞬間、眼球へ一直線に突き進んできた白球を、その分厚いレンズの塊が文字通り「盾」となって受け止め、軌道をわずかに下に逸らしていたと直感した。メガネは割れずに持ちこたえ、私の眼球を守りきってくれた。
コンタクトレンズを忘れ、メガネのまま守備に就いたという「最大の隙」が、皮肉にも私を「眼球直撃」から救う最大のファインプレーとなった。同時に、私はフと思った。
「この位置、どこかで見たことがあるな」
人気漫画『ONE PIECE』の主人公、麦わらのルフィの左目の下にあるあの傷。奇跡的にも、全く同じ場所にその9針の勲章は刻まれていた。「もう引退か」と沈んでいた心に、不思議と現役続行へのガッツが湧いてきた。



















