200種類以上の魚に寄生

アニサキスは寄生虫の一種で、体長は2~3センチほど。サバやアジ、サンマなどの魚介類に寄生しています。体内に入ると胃や腸の壁に刺さり、激しい痛みや嘔吐などの症状が出ます。

免疫学が専門で、寄生虫に詳しい大分大学医学部の小林隆志教授は、生魚を食べる際は種類を問わず常にリスクが存在すると指摘します。

小林教授:
「教科書的には200種類以上の魚に寄生しています。アニサキスは3種類あり、このうち太平洋側はシンプレックス、日本海側はペグレフィという型が存在しています。患者から取れるアニサキスは、太平洋側の方が多いことがわかっています」

「どの魚なら安全とは言えない。ただ食物連鎖があるので、大型の魚ほど数が多い傾向があります」

クジラなどの体内で卵を産むアニサキスは、その卵が海に出てプランクトンのオキアミから魚へと食べられます。この食物連鎖の中で人の体内に入り、食中毒を引き起こすのです。