2500グラム未満で産まれた赤ちゃん、「低出生体重児」は10人に1人と言われています。こうしたリトルベビーの家族のつながりを作ろうと自らも低体重の子どもを育てる大分市の女性がサークルを立ち上げ初めて、交流会を開催しました。

元気に走り回る子どもたち。大分県内の低出生体重児の家族で作るサークル「つきのひかり」の交流会の様子です。

(リトルベビーサークルつきのあかり・幸野江美代表)「横のつながりがなくてだめだ、私一人かな。と孤独になるのでそうならないように、うちもそうだったよと言えるような場を提供しようと思った」

今月17日の世界早産児デーにあわせて大分市で開催された写真展。県内のリトルベビーの、産まれた時と成長の姿が飾られました。低出生体重児は2500グラム未満で産まれた子どものことで発育に困難を抱えるケースもあります。

大分市に住む幸野彰文さん・江美さん夫婦。1歳半になる三女の美月ちゃんは608グラムで産まれました。同じように小さく生まれた双子の姉もいて母親の江美さんは無我夢中で子育てをしたといいます。

(幸野江美さん)「低出生の子どもってちょっと発達に問題が出ることが多くて、運動機能が遅れていたり、みんなが座ってごはんが食べられるところを食べられない、ばっと動いちゃうとかなんでなんでだよっていうことがあって」

(夫の彰文さん)「家に帰ったらへとへとなんですよ。上の子の時はほとんど任せっきりで、仕事ばっかりしてたんで」

(江美さん)「1人で孤独な子育てというか」

記録するのがうれしいはずの母子手帳もわが子の発育が標準的な成長に当てはまらず傷ついたそうです。


(江美さん)「体重は1キロからしか書けなくて、うちは608グラムだったのでこの下の方になるんですね」

子宮頚管無力症のため出産前から入院していた江美さん。出産後数か月、赤ちゃんは保育器に入っていました。抱くこともできない中、子どもへの申し訳なさから母親は心理的な負担を抱え込むといいます。

(江美さん)「自分を責めて私のせいでこんなつらい思いをさせてごめんなさいっていう思いしかない。実際に自分の子供を見られるのは1日15分ぐらいガラスの向こうにいるので、そっと手を添えてあげることしかできなくて。親なんだけど親にさせてもらえない」

低出生体重児を生んだ母親たちはわが子と対面した時から子どもへの複雑な思いを書き記しています。

【母親のメッセージより】
「2人のゆっくりな成長が真っ黒な私の心に少しずつ色を取り戻すようでした」「早く生んでしまったこと申し訳なく思う日が今でもあります。でも早く産んだからこそ知らなかった世界や新しい出会いがありました」

■「こういう場に出会いたかった 交流は続けてほしい」