鹿児島県で開催された「和牛オリンピック」。日本一を目指し、大分県代表として出場した若き畜産農家の奮闘を追いました。

10日まで鹿児島県で開催された全国和牛能力共進会。審査会場には過去最多の41道府県から各地の予選を勝ち抜いた438頭の牛が集まりました。5年に1度開かれるこの大会は“和牛のオリンピック”とも呼ばれる国内最大の品評会で、牛の発育の良さや体の形、肉質などから日本一を決定します。


前回大会、最高賞にあたる「内閣総理大臣賞」を獲得した大分県勢は今回、21頭がエントリー。日本一連覇を狙います。このうち、若いメス牛の第3区に出品する竹田市久住町の清水蔵人さん(38)。全国の大舞台は初めての経験です。

(清水蔵人さん)「こんなに緊張するとは思わなかった、吐きそう、おそろしいですね。いろいろと考えても仕方がないので自信持って頑張ってきます」


鹿児島へ向かう日の前日、清水さんは牛の最終調整に追われていました。

(清水蔵人さん)「この子のポテンシャルは最大限出せていると思う。なかなか苦労したが、順調によくここまで頑張ってくれた」

清水さんは就農前から培った得意の目利きで、県産メス牛の「じゅじゅ」を選抜。全国トップを目指し、手塩にかけて育ててきました。

(清水蔵人さん)「一緒にたたかう“戦友”みたいな感じ、相方ですよね」


清水さんが出品した第3区には30道府県から32頭が出場。強豪の鹿児島や宮崎も名を連ねる大会屈指の激戦区です。大会は上位の牛を前の列に引き出していく比較審査によって順位付けされます。順調に名前が読み上げられていく清水さんと「じゅじゅ」。ついに最後の5頭に絞られました。

審査の結果、1位に選ばれたのは宮崎県。清水さんは4位で初めての和牛オリンピックを終えました。

(清水蔵人さん)「4番目やったな…ごめんな」
(妻・芙美さん)「全国の4位なので頑張ったと思う」
(長女・麓歌さん)「世界一かっこいいお父さん。次は上位に行けるよう慰めたい」


(清水蔵人さん)「できればもう少し上に行きたかったが、最終選考には残れたので健闘できたかな。(和牛五輪は)夢というか自分が牛を飼い続ける限りずっと目指すべきものだと思うし、また次に向けてもチャレンジしたい」

牛に人生をかける生産者たちが競い合った和牛のオリンピック。次回は5年後、北海道で開催されます。