台風14号は19日明け方から昼前にかけて、大分県内に最も近づく見通しで南部、中部、西部がすでに暴風域に入っています。この影響で湯布院町の宮川で氾濫が発生したとして、警戒レベル5の緊急安全確保が発表されました。
大型で非常に強い台風14号は18日午後6時には鹿児島市付近にあるとみられ、1時間におよそ20キロの速さで、北に進んでいると推定されます。中心の気圧は930ヘクトパスカルで、中心付近の最大風速は45メートルとなっています。
大分県内は多くの地域が風速25メートル以上の暴風域に入っていて、19日夜遅くにかけて猛烈な風が吹くおそれがあります。また、県内ではこれまでに経験したことがないような大雨が降るおそれがあり、大雨特別警報が発表される可能性もあります。
由布市は湯布院町の宮川で氾濫が発生したとして、午後5時20分に由布院駅周辺の1109世帯2186人に警戒レベル5の緊急安全確保を出して命を守る最善の行動を呼びかけています。
また、姫島村を除く、県内16市町の全域と大分市の一部地域に警戒レベル4の避難指示が出されています。県内では午後3時時点で13市町村で1497世帯2230人が避難しています。大分市や別府市・中津市・佐伯市・竹田市・宇佐市・豊後大野市・由布市・日出町・九重町・玖珠町には警戒レベル4相当の土砂災害警戒情報が発表されています。
消防によりますと、午後4時半前、竹田市次倉の県道で普通乗用車が水に使って動けなくなったと男性が消防に救助を求めました。車は電気系統の故障で動けなくなっていましたが、男性は救助され、けがはありませんでした。竹田市高伏の県道でも普通乗用車が冠水した道路で水没したと消防に通報がありました。乗っていた人は救助され、けが人はいませんでした。
また、午後8時ごろ中津市深耶馬渓では河川の増水により冠水し、車一台が立ち往生しましたが、けが人はいないということです。県内各地で倒木や土砂崩れなどによって県道では少なくとも6か所が通行止めとなっています。
交通機関はJRの全線が運転を見合わせていて、19日の計画運休も決めています。空の便やフェリーは19日も始発便から欠航が相次いでいます。台風の接近に伴い、県内の高速道路は全線が通行止めとなっています。
佐伯市蒲江では午後3時34分に最大瞬間風速41メートルの観測史上最大を記録しました。午後8時までの降り始めからの雨量は由布市湯布院町が285.5ミリ、竹田市が267.5ミリ、佐伯市宇目で241.5ミリとなっています。
一方、19日にかけては県内の全域で1時間80ミリの猛烈な雨が予想されています。また、19日午後6時までに予想される24時間降水量は南部と西部で400ミリ、中部と北部で300ミリとなっていて、線状降水帯が発生した場合はさらに増えるおそれがあります。
また、暴風によって飛来物でけがをすることや走行中のトラックが横転するおそれもあり、不要不急の外出は控え、屋内では窓から離れるなど厳重な警戒が必要です。