大分市の学校適正配置計画で統廃合の対象となり、閉校して7年が経った旧中島小学校について、利活用に向けた検討が始まっています。
敷地面積が1万1000平方メートルの旧中島小学校は、1924年に開校し、村山元総理の母校としても話題になりました。

少子化などを背景に大分市が実施した学校配置の見直しで、中島小学校は統廃合の対象となり、2017年3月に閉校しました。
同じ時期に閉校した住吉小学校の敷地には碩田学園が。また、荷揚町小学校跡地には、市の複合施設がすでに設置されています。
中島校区の自治会で作る協議会会長の木本太さんは、学校の跡地利用に関する陳情書を9月、大分市議会に提出しました。
木本会長「運動スペースとしてグラウンドを活用でき、避難所としても使えるから、そのスペースを残してほしい。だから絶対に売却しないでほしい」
現在、校舎の一部は、地元の中島西自治会が公民館として使用しています。地域コミュニティの場として幅広い年齢の人が使用しています。特に高齢者にとっては貴重な交流の場となっています。

市民「自前の公民館がないので、近い場所にあってとてもありがたい」
グラウンドも高齢者から子どもまでが自由に利用しています。地元住民の話では、この地区にはキャッチボールやサッカーができるような広場は、学校跡以外にないということです。
(小学生)「ここがなくなったらちょっと困ります。練習するところがなくなる」(高齢者)「ここは懐かしい場所でいつまでも残してほしい」
学校は海抜2メートルの場所に位置していて、校舎の西棟は津波避難ビルに指定されています。
木本さん「避難所生活する時にトイレやプライベート空間ができるように今そろえている」
自治会では校舎内に備蓄品を保管しています。災害時の防災拠点として機能を果たせるよう、陳情では6階建ての津波避難ビルの建設を求めています。

木本さん「体育館は避難所生活をするときに使います。そうするとグラウンドも仮設テントや住宅ができる。そういう意味でここは残してほしい」
大分市企画課「公有地に対してどういう利活用の方法がありますかというサウンディングをしています」
市は、民間業者から意見を聞き取るサウンディング調査を実施。今後、庁内の会議で活用策を検討します。
大分市企画課「今回のサウンディングで何かが決まるというよりは、選択肢を増やすという位置づけ。住民の思いがあると思うので慎重に対応していかないといけないと思っています」
中島校区の木本会長は、次の世代を見据えた利活用を望んでいます。
木本さん「地域の人がここで運動したり、コミュニティできたりするような空間にしてほしい。大分市にとって中心部にとって最後のこの広大な土地だから大事に残してほしいと思います」