77年目の終戦の日を前に「NO WARプロジェクトつなぐ、つながる」、戦争を語り継ぐ意義や大切さについてお伝えします。9日は長年、子どもたちに朗読劇で戦争の悲惨さを語りかけ、平和の尊さを伝える地域グループの思いに迫ります。
8月5日、広島の原爆の日を前に大分市の稙田西中学校では戦争や平和について考える特別授業が行われました。生徒たちは長崎を舞台にした朗読劇の動画を鑑賞し真剣な表情で戦争の悲惨さを学んでいました。
(生徒)「原爆は一瞬の出来事だったけど、傷が残るのは一生だったから、絶対に戦争を起こしてはいけないと思いました。」「経験したことを語れる人が少なくなってきているので、そういうのを自分たちが下の世代に伝えてきたい」
生徒も読み手として参加した今回の朗読劇。上演の主体となったのは地域で25年にわたって活動を続ける「ぽけっとの会」です。
週に2回、小学校の一室で読み語りの練習をする「ぽけっとの会」。これまで県内の小中学校で広島・長崎・沖縄をテーマにした平和朗読劇を行ってきました。現在8人が所属する会の代表を務めるのは篠永朋子さん(79)です。
(ぽけっとの会主宰・篠永朋子さん)「平和朗読をすることによって大昔のことを大昔の人たちが自分の経験のように話してくれる。(子どもたちは)私たちのやっていることを受け止めて、自分の中に落としていっているんじゃないかなって」
篠永さんは終戦時2歳でその記憶はかすかなものとなっています。そのため、当初は戦争について語ることに抵抗があったといいます。しかし、朗読劇を通して戦争を知らない若い世代に伝えていくことの大切さを感じています。
(篠永朋子さん)「子どもたちは『私たちが伝えていかないといけない』って言っているんですよね。だからその子たちが伝えてくれるんであれば、私のできることは戦争のその情景を知っている一人として、がんばって伝えていきたいと思っています」
終戦から77年目の2022年、ロシアのウクライナ侵攻で戦争がより現実のものとなる中、次の世代へ語り継ぐ大切さがいっそう重みを増しています。