不登校の受け皿だけじゃない
一方で、将来の進学や目標を見据え、全日制ではなく通信制を選ぶ生徒もいます。中には同時に予備校に通うなどダブルスクールで学ぶ人も。毎日通学する必要がないため、自分が好きなことに充てる時間が確保しやすいメリットがあります。
美術大学進学志望の生徒:
「美術予備校と普通科の高校との両立が難しかったので、通信制にしてよかったと思います。自分のリズムでできるので」

この春、勇志国際高校に入学した後藤絆さん。4歳から始めた空手に打ち込むため、通信制高校を選びました。
ネット生の後藤さんは、好きな時間にオンライン授業を受けて自分のペースで学習を進めています。土日に県外で行われる大会に出場したり、週6日の稽古に参加したり、空手を中心にした高校生活を送っています。

後藤絆さん:
「空手からキックボクシングに転向した与座優貴選手は、K1のチャンピオンなんですけど、ベルトを持たせてもらったことがあります。とてもうれしくて、あこがれの選手です」
中学時代、全国大会で入賞経験もある後藤さん。通信制で時間に余裕ができた分、全国の頂点に立つことを目標に空手の実力を磨いています。
後藤絆さん:
「好きなことに時間が使えるのでそこがいいです。中学校までとは時間が違うので、より一層がんばらないといけないと思っている。目標はチャンピオンになることで、2個の大きなタイトルをとれるようにがんばります」

多様な子どもたちに適した学びの場を提供する通信制高校。爽風館高校でも生徒の増加に見合ったマンパワーの充実や環境整備がより求められています。
爽風館高校 石井圭一郎校長:
「社会への自立のためのサポートは、しっかりしていきたい。多様な手法を使って十分学べる環境をつくり、ネットワークも含めて活用していけると良い」
多様な価値観を認める社会の流れや通信インフラの拡充に伴って、子どもたちの学びのあり方も変化していて、受け皿の1つとして通信制高校の役割がますます大きくなりそうです。