鳥海 連志 選手や川原 凛 選手ら ”長崎出身アスリート”の活躍もあり、東京パラリンピックでも盛り上がった車いすバスケットボール。
県内にはことし、世界選手権に女子日本代表として出場した選手がいます。
メンバー最年少の22歳で選出された女性を取材しました。
■ ”高さ”を武器に世界に挑む
車いすバスケットを始めて4年。この世界で『高さ』を武器に活路を開きました。

江口 侑里さん22歳、女子の日本代表選手です。

江口 侑里さん:
「この間のアジア オセアニア チャンピオンシップスのときの銀メダルです」
「ずっと緊張していました。嬉しかったは嬉しかったんですけど、やっぱり今まで(日本代表としてプレー)してきた人たち、強化指定の方々のなかに入っていくのに、ものすごく緊張して。どうしよう、どうしようって感じでした。ずっと」
江口さんの車いすバスケとの出会いは高校2年生のとき。
偶然見に行った練習場でプレーヤーとして誘われたのが始まりでした。

江口 侑里さん:
「日常的に車いすに乗っている人だけができるものって思っていて私。車いすバスケだから、なんか歩いたり走ったりする人ができるものと思っていなかった」

江口さんは3歳のときに脳梗塞の後遺症で左の手足に麻痺が残りましたが、学校のバスケットボール部に入り、右手でカバーすることで健常者とプレーしてきました。
車いすに乗るのは車いすバスケのときだけです。

江口 侑里さん:
「細かい動き、こういう(指を折って)数える動きはできないんですよね。足の指も全く動かないんですよね。こういう(指をグーパーする)動きができないんですよ。全然出来なくて」
高校卒業後、社会人になってからは一人暮らしをしていて、料理をはじめ家事はすべて一人で行います。

江口さんが勤めているのは長崎市内のレンタカー店です。
ここでも車いすには乗らず、体を動かす仕事を中心に、接客もこなします。

江口 侑里さん:
「車いすバスケだけじゃなくて、他の一般の方たちと同じように働きたいというのもあったので、仕事もして、バスケの練習もしてということを選びました」

競技歴4年、江口さんの最大の特長は『打点の高さ』です。
高いことは、ディフェンスに有利なうえ、ゴールリングに近くなります。

競技用車いすは、既定の範囲内であれば自由に高さを調整できますが、座面が高くなれば、転がっているボールの処理や、重心が高くなった車いすを支える筋力が必要です。
江口さんは体幹の強さで、”高い車いす” を操ることができます。