NBCライブラリーに残る 貴重な映像から紹介します。
9月は本格的な台風シーズンです。
かつて日本全国で猛威を振るった “風台風”は、皆さんの記憶に新しいのではないでしょうか。

1991(平成3)年9月27日、台風19号が940ヘクトパスカルという強い勢力を保ったまま長崎県佐世保市に上陸。
山口県をかすめた後、日本海を進み、翌日朝には北海道に再上陸しました。

猛烈な風が吹き荒れ、日本各地に甚大な被害をもたらしました。
東北地方では、収穫間際のりんご農家に大きな被害をもたらし『りんご台風』とも呼ばれています。


長崎県内での最大瞬間風速はなんと54.3メートル。
典型的な “風台風” で、長崎県内では5人が死亡、ケガ人は257人、建物の全半壊は401棟にのぼり、大規模な停電も発生しました。


断水のため、市内各所には水を供給する給水車が出動し、順番を待つ人の列ができました。


長崎駅の三角屋根の旧駅舎の屋根も大きくめくれ上がりました。


暴風のため、住宅の屋根瓦が紙吹雪のように吹き飛ばされる被害も続出。
その数は長崎市だけで3万戸に達し、高台の住宅地はブルーシートの屋根が広がりました。



台風の被害の影響は、その後も長く続きました。
瓦を飛ばされた市民のために、長崎市がブルーシートを配布しましたが、そこに予想を大きく超える被災者が殺到し、配布を待つ長い列が出来ました。
ブルーシートを手に入れることができない人も出たため、一部では混乱も起きました。


長崎の斜面地では長い間、一面にブルーシートが広がる光景が続きました。
屋根瓦の供給もなかなか需要に追い付かず、翌年になっても“青いブルーシートの家”は残ったままでした。
放送局が撮影した 長崎の映像を配信している“ユウガク”より