上司からのパワハラが原因で3年前に自殺した警察官の遺族が、長崎県を相手取りおよそ1億4千万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。

訴えを起こしたのは、3年前に自殺した当時41歳の男性警部補の妻ら遺族3人です。

訴状によりますと、男性警部補は佐世保警察署交通課に異動した2020年3月以降、上司の課長らから「能力がない」などの暴言を日常的に受けていたほか、長時間労働を強いられ、異動からおよそ半年後に自殺しました。

遺族は、長崎県警が警部補の自殺を上司のパワハラによる公務災害と認めたことから、損害賠償金などについて長崎県と交渉しましたが、県は去年、支払いを拒否。

このため遺族は 県に対し、未払いの超過勤務手当を含めた1億3,800万円余りの損害賠償を求めています。

自殺した警部補の妻:
「この私がまさか裁判を起こすなんて信じられないんですけど、主人の無念を晴らすためにはこれしかないと」

訴えに対し、裁判を担当する県警本部の監察課は「訴状の内容を確認したうえで、適切に対応していきたい」としています。