スペインの国のイメージがどのように形づくられていったかを版画作品を通じて感じることができる展覧会が8日から長崎県美術館で始まります。

国立西洋美術館を始めとした国内所蔵の、スペインにまつわる版画作品200点以上が揃いました。

大量に刷ることができ、多くの人に広められる版画は、スペインのイメージを形成するのに大きな役割を果たしました。

展覧会では、17世紀はじめから20世紀後半までの版画作品で、スペインのイメージの成り立ちを感じることができます。

長崎県美術館 稲葉友汰 学芸員:
「ヨーロッパで広く人気を博したのが、スペインがイスラムの支配下にあった時代に造られたイスラム建築の数々なんですね」

こちらはアルハンブラ宮殿内にある建築装飾の模様をまとめた図案集です。
こうした “書籍”の存在が、ヨーロッパ中にスペインらしいイスラム装飾のデザインアイディアを広めていきました。

スペイン伝統の闘牛──
死がつきものであることから 賛否両論を巻き起こしながらも、多くの人の注目を集め、スペインを代表する画家 ゴヤは、生涯にわたって闘牛をモチーフに制作しました。

長崎県美術館 稲葉友汰 学芸員:
「スペインのイメージが、どういう意図で最初につくられて、芸術表現として確立され、それがどのように拡がって発展していったのかという一つの “時空を超えた旅”といいましょうか──そういったものを味わって頂ける機会になっていると思います」

企画展『スペインのイメージ』は長崎県美術館で8日から6月11日まで開かれます。