川崎さん「こちらが花みずき養蜂園の馬場さんご夫妻です」

アレックス:
「私のおばあちゃんです。名前はナターシャです。そして私のおじいちゃんです。名前はオレクです」

実はオレクさん、ウクライナで30年以上養蜂業を営んでいます。
50箱以上の巣箱を扱っていましたが、移動させることもできず、ウクライナに残してきたことがずっと気にかかっていました。

巣箱からスプーンで蜜をすくって味わうと、オレクさんの表情が変わりました。

オレク:「このハチミツはミカンの風味がしますね」

久しぶりに蜂と触れ合い、前向きな気持ちになったオレクさん。

ミツバチのためにも一度ウクライナに戻り知り合いに預けるなど対策を取ることを決断しました。

オレクさん:
「本当に今感動しています。こういう機会を頂きありがとうございます」

日本で進学を決意──わずか7か月で漢字も

アレックスさんも決意を固めています。
戦争が終わっても復興に時間がかかるであろうウクライナでは安定した生活は送れないと、日本の高校・大学への進学を希望しています。

アレックスさん:
「日本語を勉強したいです、日本でものすごく勉強したいです。働きたいです。
もちろん家族とか友達に会いたいですけど、まずは勉強だと思います」

日本語能力試験では『基本的な日本語を理解した』とされる“N4クラス”に合格したアレックスさん。この春からは佐世保市内の高校に通い、日本語で授業を受ける予定です。

長崎日本語学院 森 伊作 教諭:
「アレックスくんは目標をもって勉強しているということで、やっぱり日本語の覚えがすごく早い。
短期間でこのレベルまで達したというのは我々としても非常に驚きです」

日本に来た時には全く日本語が話せなかったアレックスさん。
家族の前で7か月間の成果を披露します。

アレックスさん:
「今私が一番ほしいものは平和です。家族に会いたいです。友達と高校に行きたいです。遊びにも行きたいです。ゲームもしたいです。当たり前だったことを返してほしいです」

日本の学校に通い永住を希望する人ウクライナに帰りたいが帰る見込みが立たず仕事を始める人──

戦争が長期化するなか、ウクライナの人々は今、人生の大きな決断を迫られています。